20代で人事職への転職を考えているなら、今がまさにベストタイミングです。人的資本経営の義務化やHRテック市場の急成長を背景に、人事関連の求人数はここ数年で約2.4倍に増加しました。
20代人事の平均年収は全職種平均を約60万円上回る424万円、大手上場企業なら575万円も狙える水準です。
本記事では、未経験者・経験者それぞれの転職戦略から、年収データ、キャリアパス、採用側のホンネ、おすすめ転職エージェントまで、20代の人事転職に必要な情報をすべて網羅しています。
目次
20代の人事転職市場【2026年最新動向】
20代で人事への転職を検討するなら、まず知っておきたいのが「今、人事職の転職市場がどうなっているか」です。
結論から言えば、2025年現在の人事転職市場は20代にとって非常に有利な状況が続いています。ここでは、その背景にある3つの構造変化を解説します。
人事職の求人倍率と20代の需要が高まっている背景
人事を含む管理部門の転職市場は、ここ数年で大きく様変わりしました。
リクルートエージェントの転職決定者データによると、人事関連職種の求人件数は2018年度比で2.40倍、転職決定人数は1.77倍に増加しています(リクルート プレスリリース 2023年5月)。
dodaの転職求人倍率も2024年12月時点で全体3.15倍と、求職者にとっての売り手市場が続いています(doda転職求人倍率レポート)。
この背景には、企業の人事部門に求められる役割が大きく変化していることがあります。かつての人事部門は「採用と給与計算をする部署」というイメージでしたが、現在は人材戦略の立案、組織開発、従業員エンゲージメントの向上など、経営に直結するミッションを担うようになりました。
特に20代の若手人材が求められる理由は明確です。デジタルネイティブ世代としてHRテックツールへの適応力が高いこと、そして柔軟な発想で新しい人事施策を推進できるポテンシャルが評価されています。
MS-Japanの調査でも、管理部門の求人において20代の転職希望者に対する需要は堅調に推移しており、人事・総務分野では求人の想定平均年収が624万円に達しています(MS-Japan 管理部門転職市場レポート 2024年)。
人的資本経営の義務化で変わった人事部門の役割
2023年3月期決算から、上場企業約4,000社を対象に有価証券報告書での人的資本情報の開示が義務化されました(金融庁)。
人的資本経営とは、従業員を「コスト」ではなく「投資すべき資本」として捉え、その価値を最大化する経営手法のことです。具体的には、女性管理職比率、男性の育児休業取得率、男女間賃金格差の3指標が開示必須となり、さらに人材育成方針や社内環境整備方針の記載も求められています。
この動きはまだ加速途中です。金融庁は2025年11月に、2026年3月期以降のさらなる開示拡充を盛り込んだ改正案を公表しました(金融庁 2025年11月)。企業戦略と人材戦略の連動、従業員給与の決定方針なども開示対象に加わる見通しです。
これが20代の人事転職にどう影響するかというと、人事部門の業務量と責任範囲が飛躍的に拡大しているということです。データの収集・分析、レポート作成、KPI管理など、これまでになかった業務が増え、それに対応できる人材が圧倒的に不足しています。
「人事部の人手が足りない」という声は多くの企業で聞かれ、未経験者も含めた採用の門戸が広がっている大きな要因の一つとなっています。
AI・HRテックの普及が20代人事の転職にもたらすチャンス
人事領域のテクノロジー市場も急成長しています。デロイト トーマツ ミック経済研究所の調査によると、国内のHRTechクラウド市場規模は2023年度の1,077億円から2024年度には1,385億円(前年比128.5%)に拡大する見込みです(ミック経済研究所 2025年2月)。
タレントマネジメントシステムに取り組む企業のうち72.5%がシステムを導入済みで、その目的は「人材の適正評価」(53.4%)や「計画的な人材育成」(50.8%)が上位を占めています(jinjer調査 2024年)。
引用元:https://jinjer.co.jp/news/post-9389/
AIやHRテックの普及は「人事の仕事がなくなる」ことを意味しません。
むしろ、定型業務(勤怠集計、給与計算、書類作成など)がテクノロジーで効率化される一方で、「人にしかできない仕事」——たとえば、従業員との1on1面談、組織文化のデザイン、経営陣への人材戦略の提言——の重要性が増しています。
20代にとっての好材料は、HRテックツールを使いこなすスキルが転職市場で大きな武器になるという点です。
実際にMS-Japanの求人データでも、リモートワーク対応可能な管理部門求人は全体の56.6%に達しており、年収600万円以上の求人では65.0%がリモート対応可能です。
デジタルツールに慣れた20代は、こうした新しい働き方の人事ポジションとの親和性が高いといえます。
人事の仕事内容とは?6つの職種を整理
「人事に転職したい」と思ったとき、最初に理解しておくべきなのが人事職の中身です。
「人事」とひとくくりにされがちですが、実際には大きく6つの領域に分かれており、それぞれ求められるスキルも、未経験からの入りやすさもまったく異なります。ここでは各職種の仕事内容をわかりやすく解説します。
採用(新卒・中途):未経験から最も入りやすいポジション
採用担当は、企業が必要とする人材を見つけ、選考し、入社まで導く仕事です。具体的には、求人票の作成、転職エージェントや求人サイトとのやり取り、書類選考、面接の日程調整・同席、内定者フォローなどを担当します。
新卒採用では、大学への訪問やインターンシップの企画運営、会社説明会の実施なども業務に含まれます。中途採用では、現場の部門長と「どんな人材が必要か」を擦り合わせる要件定義から始まり、採用チャネルの選定、候補者とのコミュニケーションまでを一貫して行います。
採用は人事の中でも最も「対人コミュニケーション」の比重が高く、営業やサービス業の経験が活きやすい領域です。そのため、未経験からの転職で最初に入りやすいポジションとされています。
労務管理:給与計算・社会保険手続きを担う縁の下の力持ち
労務管理とは、従業員の「働く環境」を法律に基づいて整備・運用する仕事です。主な業務には、給与計算、社会保険・雇用保険の手続き、勤怠管理、入退社手続き、就業規則の作成・改定、36協定の届出などがあります。
労務は「守りの人事」とも呼ばれ、法律や制度の正確な理解が求められます。労働基準法、労働安全衛生法、健康保険法、厚生年金保険法など、関連する法律は多岐にわたります。一つのミスが従業員の生活に直結するため、正確さと丁寧さが重視される職種です。
地道な仕事が多い一方、専門性が高く評価されやすい領域でもあります。社会保険労務士の資格を取得すれば、労務のスペシャリストとして長期的なキャリアを築くことができます。
教育・研修:社員の成長を設計するやりがいのある仕事
教育・研修担当は、新入社員研修、階層別研修(マネージャー研修、リーダー研修など)、スキルアップ研修の企画・運営を行います。社内講師を務めることもあれば、外部の研修会社と連携してプログラムを設計することもあります。
近年ではeラーニングの導入やLMS(学習管理システム)の運用も担当範囲に含まれるようになりました。「どのスキルを、誰に、いつ、どうやって身につけてもらうか」を考える、いわば社員の成長を設計する仕事です。
教育研修は採用ほど未経験求人は多くありませんが、塾講師やトレーナーの経験がある方、研修会社での勤務経験がある方はスムーズに移行しやすい領域です。
人事制度設計:評価・等級・報酬制度をつくる上流工程
人事制度設計は、等級制度(社員のランク区分)、評価制度(どのように成果を測るか)、報酬制度(給与・賞与・インセンティブの決め方)を設計・運用する仕事です。
人事部門の中では最も「経営に近い」業務の一つであり、制度一つで社員のモチベーションや定着率が大きく変わるため、責任も大きい領域です。
この職種では、経営戦略と人事施策を結びつける論理的思考力や、数字に基づいた分析力が求められます。未経験からいきなり制度設計に携わることは難しく、通常は採用や労務で数年の経験を積んだ後にステップアップするケースが一般的です。
組織開発・HRBP:経営と現場をつなぐ戦略人事
HRBP(Human Resource Business Partner)とは、特定の事業部門に付いて、その部門の経営課題を人事施策で解決する役割です。たとえば、「営業部門の離職率が高い」という課題に対して、原因をデータ分析で特定し、評価制度の見直しや組織体制の変更を提案・実行します。
組織開発は、企業の組織文化や風土を改善し、従業員エンゲージメントを高める取り組みです。サーベイ(従業員意識調査)の設計・実施・分析、ワークショップのファシリテーション、経営と現場をつなぐ対話の場づくりなどが含まれます。
HRBPや組織開発は近年急速に求人が増えている領域ですが、事業への深い理解と人事の専門性の両方が求められるため、未経験での転職は非常に難しいのが実情です。ただし、コンサルティング会社や事業企画の経験者は、そのビジネスセンスを活かしてキャリアチェンジに成功する事例もあります。
参考:https://backofficedb.com/glossary/78/
採用広報・採用マーケティング:急成長中の新しい領域
採用広報とは、企業の魅力を候補者に伝え、「この会社で働きたい」と思ってもらうための活動です。採用サイトのコンテンツ制作、SNS運用(Twitter/X、LinkedIn、noteなど)、社員インタビュー記事の作成、採用イベントの企画運営などが主な業務です。
従来は採用担当が兼務していた領域ですが、人材獲得競争の激化に伴い、専任ポジションを設ける企業が増えています。マーケティングやPR、ライティングの経験がある方には特に有利な領域で、未経験でもWebマーケティングやメディア運営の実績があれば挑戦しやすい職種です。
【職種別比較表】人事未経験からの入りやすさ・年収・キャリア発展性
「人事の中でも、どの職種が自分に合っているのか?」を判断するために、6つの職種を転職難易度・年収・将来性の3軸で比較します。20代で人事職への転職を考える際、この比較表はキャリア戦略を立てる上で重要な判断材料になります。
6職種の転職難易度マップ(★1〜★5で評価)
以下の表は、未経験の20代が転職する場合の難易度を★の数で示しています。★が少ないほど入りやすく、★が多いほど経験・スキルが必要です。
| 職種 | 未経験からの難易度 | 求められる主なスキル | 前職で活きる経験 |
|---|
| 採用(新卒・中途) | ★★☆☆☆ | コミュニケーション力、調整力、プレゼン力 | 営業、販売、人材紹介、カスタマーサポート |
|---|
| 採用広報・採用マーケ | ★★☆☆☆ | ライティング、SNS運用、企画力 | Webマーケ、PR、メディア運営、ライター |
|---|
| 労務管理 | ★★★☆☆ | 正確性、法律知識、Excel/システム操作 | 経理、総務、事務職全般 |
|---|
| 教育・研修 | ★★★☆☆ | 企画力、ファシリテーション、プレゼン力 | 講師、トレーナー、研修会社勤務 |
|---|
| 人事制度設計 | ★★★★☆ | 論理的思考、データ分析、経営理解 | コンサル、経営企画、事業企画 |
|---|
| 組織開発・HRBP | ★★★★★ | 事業理解、データ分析、対人影響力 | コンサル、事業責任者、人事経験者 |
|---|
未経験から最も入りやすいのは「採用」と「採用広報」です。特に採用職は、候補者や社内関係者とのコミュニケーションが業務の大半を占めるため、対人スキルの高い営業経験者や人材紹介会社出身者が活躍しやすい傾向にあります。
一方、HRBPや組織開発は「人事の最上流」とも言われるポジションで、事業理解と人事の専門性の両方が求められます。20代での転職はかなり限定的で、通常は人事として3〜5年以上の実務経験を積んでからステップアップする流れが一般的です。
職種別の平均年収帯と将来的な年収上限
MS-Japanの「人事求人の想定年収調査 2025」に基づいた職種別の年収イメージです(MS-Japan)。
| 職種 | 20代非管理職(上場) | 30代管理職(上場) | 将来の年収上限 |
|---|
| 採用 | 500〜558万円 | 650〜750万円 | 800〜1,000万円(採用部長・CHRO) |
| 労務 | 441〜563万円 | 600〜720万円 | 700〜900万円(労務マネージャー) |
| 人事全般 | 482〜575万円 | 650〜753万円 | 900〜1,200万円(CHRO) |
| 組織開発・HRBP | 550〜650万円 | 750〜900万円 | 1,000〜1,500万円(外資CHRO含む) |
注目すべきは、採用職と労務職で20代時点で約56万円の年収差がある(上場中規模企業の場合)という点です。採用の方が対外折衝が多く、ビジネスインパクトが見えやすいため、年収が高くなる傾向にあります。ただし、労務は専門性の蓄積により30代以降の年収の伸びが安定するという特徴があります。
20代未経験者が狙うべきおすすめ職種ベスト3
総合的に判断すると、20代未経験者が最初に狙うべき職種は以下の3つです。
- 第1位:採用担当(中途採用)
未経験OKの求人数が最も多く、営業やサービス業の経験がダイレクトに活きます。面接対応や候補者フォローなど、人と接する業務が中心で、成果(採用人数)が数字で見えやすいためやりがいも感じやすい職種です。
- 第2位:採用広報・採用マーケティング
SNS運用やコンテンツ制作のスキルがあれば未経験でも挑戦しやすい成長領域です。企業のブランディングに関われるため、マーケティング志向の方に特におすすめです。
- 第3位:労務アシスタント
正確さと丁寧さが求められる仕事で、事務職や経理経験者に向いています。衛生管理者や社労士の資格取得につなげることで、専門性の高いキャリアパスを描けます。
20代前半・中盤・後半で異なる転職戦略
同じ「20代」でも、23歳と29歳では転職市場での評価基準がまったく異なります。
多くの記事では「前半」「後半」の2区分にとどまりますが、実際の採用現場では3段階で評価が分かれます。ここでは、年齢帯ごとの最適な転職戦略を解説します。
23〜25歳(第二新卒層):ポテンシャル採用を最大限に活かす方法
23〜25歳は、いわゆる「第二新卒」に該当する年齢層です。社会人経験は1〜3年程度で、専門的なスキルや実績はまだ十分ではないものの、その分「伸びしろ」で評価してもらえる最も恵まれた層でもあります。
マイナビの転職動向調査によると、20代の転職率は12.4%で全年代最高です(マイナビ 転職動向調査2025年版)。その中でも第二新卒層は「ポテンシャル採用」の対象として多くの企業が積極的に受け入れています。
第二新卒で人事への転職を成功させるポイント
- 「なぜ人事なのか」を言語化する
前職の経験を通じて「人や組織に関わる仕事がしたい」と思った具体的なエピソードを用意しましょう。たとえば「営業として採用面接に同席した経験から、採用のプロセスに興味を持った」など、自分だけのストーリーが重要です。
- 第二新卒向けの求人に絞って探す
マイナビジョブ20’sでは取り扱い求人の75%以上が未経験OKで、転職定着率は95.2%です。こうした第二新卒専門のサービスを活用すると、ミスマッチを防ぎやすくなります。
- 資格取得で本気度を示す
メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種(勉強時間30〜50時間、合格率47.8%)や人事総務検定3級(勉強時間5時間程度)など、短期間で取得できる資格を持っておくと、面接での説得力が大きく増します。
25〜27歳(キャリアチェンジ適齢期):異業種経験を人事にどう活かすか
25〜27歳は、前職で一定の実績を積み、かつまだ「未経験」として受け入れてもらえるギリギリの年齢帯です。企業側から見ると「基本的なビジネスマナーは身についていて、かつ新しい分野を学ぶ柔軟さもある」という理想的なバランスの年齢層とされています。
20代後半の転職経験率は46.2%に達しており、この年代での転職は決して珍しいことではありません。
この年齢層で人事転職を成功させるポイント
- 前職の経験と人事の接点を明確にする
人事部門では「異業種の視点」が大きな武器になります。たとえば、IT企業の営業だった方が人事に転職する場合、「エンジニア採用でどんな人材が現場で求められているかを肌感覚で理解している」という点は大きなアドバンテージです。
- 人材業界への「ステップ転職」も視野に入れる
直接人事に転職するのが難しい場合は、まず人材紹介会社のリクルーティングアドバイザー(RA)やキャリアアドバイザー(CA)として2〜3年経験を積み、そこから事業会社の人事にキャリアチェンジするというルートがあります。この「RA/CA経由」は、多くの人事マネージャーが実際に歩んできた王道キャリアパスです。
- 転職活動は在職中に行う
MS-Japanの調査データでは、管理部門の転職決定者の平均年収は539万円で、転職希望時の年収537万円をわずかに上回っています。在職中に転職活動を進めることで、年収を下げずにキャリアチェンジできる可能性が高まります。
27〜29歳(即戦力候補):マネジメント経験・専門性で勝負するポイント
27〜29歳になると、企業は「未経験」ではなく「即戦力」としての貢献を期待します。この年齢層で未経験から人事に転職するハードルは上がりますが、一方で人事経験者であれば市場価値が最も高い時期でもあります。
MS-Japanのデータでは、20代の管理職(上場企業)の想定年収は535万〜678万円に達します。30代に入ると管理職年収はさらに721万〜753万円まで上昇するため、20代後半での転職で良いポジションを掴むことが、30代以降のキャリアの分岐点になります。
この年齢層で人事転職を成功させるポイント
- 人事経験者
「何をやってきたか」だけでなく「どんな成果を出したか」を数字で語れるようにしましょう。たとえば「採用計画に対する充足率120%」「離職率を15%から8%に改善」「研修プログラムのリニューアルで満足度を4.2→4.7に向上」など、具体的な数値実績が求められます。
- 未経験者
27歳以上で未経験から人事を目指すなら、より戦略的なアプローチが必要です。社労士試験への挑戦や、キャリアコンサルタント資格の取得を並行して進めるなど、「本気度」を示す具体的な行動が重要になります。求人数は第二新卒層に比べて限定的になるため、人事特化型エージェント(MS-JapanやBEET-AGENTなど)の活用が効果的です。
- マネジメント経験の棚卸し
後輩指導やプロジェクトリーダーの経験があれば、人事のマネジメント候補として評価されます。「チームで成果を出した経験」は人事職との親和性が高く、面接で効果的にアピールできるポイントです。
未経験から人事に転職するための具体的ステップ
「人事の仕事に興味はあるけれど、未経験でも本当に転職できるの?」——この疑問は、20代の転職相談で最も多く聞かれるものの一つです。
結論から言えば、20代であれば未経験からの人事転職は十分に実現可能です。ただし、やみくもに応募するだけでは成功率は上がりません。ここでは、具体的なステップを順番に解説します。
人事が未経験者に求めるスキルと素養とは
人事職に未経験で転職する場合、企業は「経験」ではなく「素養」を見ています。特に重視されるのは以下の3つです。
- ①コミュニケーション力(ただし、営業とは種類が違う)
人事のコミュニケーションは「売り込む」力ではなく「聴き出す」力が重視されます。候補者の本音を引き出す面接力、社員の悩みを受け止める傾聴力、経営者と現場の間を取り持つ調整力が求められます。
- ②秘密保持の意識と信頼性
人事部門は、社員の給与情報、評価結果、健康情報、退職予定者リストなど、社内でも最もセンシティブな情報を扱います。「口が堅い」ことは人事職の大前提であり、面接でも信頼性を感じさせる誠実な受け答えが重要です。
- ③数字やデータへの抵抗感がないこと
前述の人的資本経営や HRテックの普及に伴い、人事もデータ分析が欠かせなくなっています。Excelの基本操作(VLOOKUP、ピボットテーブルなど)ができるだけでも、未経験者としては十分なアドバンテージになります。
人事につながりやすい前職・経験パターン(営業/人材業界/総務経理)
未経験から人事に転職した人の前職を見ると、一定のパターンがあります。
- 営業職出身 → 採用担当
営業職で培った「人の心をつかむ力」「目標達成へのコミット力」は、採用担当としてそのまま活かせます。特にBtoB営業で法人顧客と関係構築してきた経験は、候補者や転職エージェントとのリレーション構築に直結します。
- 人材業界出身(RA/CA) → 人事全般
人材紹介会社のリクルーティングアドバイザー(RA)やキャリアアドバイザー(CA)は、企業の採用ニーズや求職者の心理を熟知しているため、人事への転職で最も評価されるバックグラウンドの一つです。「エージェント側の視点」を持っている人事担当者は企業にとって貴重な存在であり、20代でも即戦力に近い評価を受けやすい傾向にあります。
- 総務・経理出身 → 労務管理
バックオフィス経験者は、労務管理へのキャリアチェンジがスムーズです。給与計算のベースとなる会計知識、社会保険手続きに必要な正確な書類作成スキル、法令順守の意識など、すでに持っている素地が多いためです。
未経験OK求人の見つけ方と応募時の注意点
MS-Japanの調査によると、管理部門における未経験OK求人は全体の約12.5%です。人事職に限ると10〜15%程度と推定されます。
数字だけ見ると少なく感じるかもしれませんが、未経験OK求人の年収帯は400万〜599万円が約66%を占めており、極端に年収が下がるわけではありません。
未経験OK求人を効率的に見つけるための方法は以下の通りです。
- 管理部門特化型エージェントに登録する
MS-JapanやBEET-AGENTなど、人事職の求人に特化したエージェントは、一般の転職サイトには出回らない非公開求人を多く保有しています。担当コンサルタントに「20代・未経験・人事希望」と明確に伝えることで、マッチする求人を紹介してもらえます。
- 「採用アシスタント」「人事アシスタント」で検索する
いきなり「人事担当」として入るのではなく、まずはアシスタント的なポジションから入ることで、未経験でも採用されやすくなります。
- 成長企業・ベンチャー企業を狙う
組織が急拡大しているフェーズの企業は人事部門の人手が圧倒的に不足しており、未経験者にも門戸を開いているケースが多いです。特にIT・Web業界やSaaS企業は採用ニーズが旺盛で、未経験者の受け入れに積極的な傾向があります。
応募時の注意点としては、「未経験OK」の求人であっても、志望動機で「人事に興味がある」だけでは不十分です。「なぜ今の仕事ではなく人事なのか」「前職のどんな経験が人事に活きるのか」を具体的に語れるようにしておく必要があります。
転職前に取っておくと有利な資格5選
人事職の転職では、資格が「必須」になることはほとんどありません。
しかし、特に未経験からの転職では、資格を持っていることが「この人は本気で人事を志している」という証明になります。以下は、取得の難易度とコストパフォーマンスを考慮したおすすめ資格です。
| 順位 | 資格名 | 合格率 | 勉強時間 | 費用目安 | おすすめ理由 |
|---|
| 1 | 衛生管理者(第一種) | 46.3% | 100〜150h | 約8,000円 | 常時50人以上の事業場で法的に選任義務あり。取得者は即戦力扱い |
|---|
| 2 | メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種 | 47.8% | 30〜50h | 約7,500円 | 勉強時間が短くコスパ最高。人事・管理職に広く評価される |
|---|
| 3 | 人事総務検定3級 | 非公開(高い) | 5〜15h | 約5,000円 | 未経験者の入門に最適。社労士試験の前段階にも |
|---|
| 4 | キャリアコンサルタント | 学科77.6%/実技64.1% | 養成150h+α | 30〜40万円 | 国家資格。政府が10万人計画を推進中で需要増 |
|---|
| 5 | 社会保険労務士 | 5.5〜6.9% | 800〜1,000h | 約10万円〜 | 人事系最高峰の国家資格。合格すればキャリアの選択肢が大幅に広がる |
|---|
合格率データ出典:厚生労働省 第57回社労士試験、大阪商工会議所
20代で時間的余裕があるなら、まずは衛生管理者かメンタルヘルス検定を取得し、並行して社労士試験の勉強を始めるのが最も効率的なルートです。
社労士は合格率5〜7%の難関資格ですが、20代で合格できれば人事キャリアの選択肢が飛躍的に広がります。
人事経験者が20代でキャリアアップ転職する方法
すでに人事としての実務経験がある20代の方にとって、転職は「年収アップ」と「キャリアステージの引き上げ」を実現する最大のチャンスです。
20代の人事経験者は転職市場で非常に希少な存在であり、その価値を正しく理解して戦略的に動くことで、大幅なキャリアアップが可能です。
20代人事経験者の市場価値が高い理由
「20代で人事経験がある」という人材は、実は転職市場において非常に希少です。その理由はシンプルで、多くの企業では人事部門の配属は入社3年目以降になることが多く、20代の大半は営業や現場で経験を積んでいるためです。
MS-Japanのデータでは、管理部門の転職決定者のうち経験者が86.3%を占めていますが、その中で20代は少数派です。つまり「20代×人事経験あり」の組み合わせは供給が限られているため、企業からの需要に対して希少価値が非常に高い状態にあります。
年収アップを実現する業界選びと企業規模の考え方
20代人事経験者が転職で年収を上げるためには、「どの業界のどの規模の企業に行くか」が極めて重要です。
dodaの平均年収ランキング2025年版によると、業種別の平均年収は
- 金融が500万円
- メーカーが492万円
- IT/通信が466万円
- サービスが382万円
と、業界間で100万円以上の差があります(doda 平均年収ランキング2025)。この格差は人事職にも反映されるため、年収アップを目指すなら金融・メーカー・IT/通信などの高年収業界を狙うのが基本戦略です。
企業規模も年収に大きく影響します。MS-Japanの調査では、上場企業の20代人事(非管理職)の想定年収は、従業員100名未満で482万円、1,000名以上で575万円と、規模によって約100万円の差が生まれています(MS-Japan 人事求人想定年収調査2025)。
ただし、大企業が常にベストとは限りません。成長中のベンチャー・スタートアップでは、人事部門の責任範囲が広く、採用から制度設計まで幅広い経験を短期間で積めるメリットがあります。
「年収は多少下がっても、経験の幅を広げたい」という判断も、20代のうちは合理的な選択肢です。
経験者がアピールすべき実績の棚卸し方法
人事経験者の転職で最も差がつくのは「実績の見せ方」です。漠然と「採用業務を担当していました」では評価されません。以下のフレームワークで実績を棚卸ししましょう。
数字で語る(定量実績)
- 年間採用人数:「中途採用で年間30名の採用目標に対し、35名を達成(達成率117%)」
- 採用単価の削減:「1人あたりの採用コストを80万円から55万円に削減(31%改善)」
- 離職率の改善:「入社1年以内の離職率を20%から8%に改善」
- 研修効果の向上:「新人研修後の配属先満足度を3.5点から4.3点に向上(5点満点)」
施策で語る(定性実績)
- 「リファラル採用制度を新規導入し、採用チャネルの多角化を推進」
- 「人事評価シートのフォーマットを刷新し、評価のばらつきを低減」
- 「新入社員オンボーディングプログラムを再設計し、3ヶ月定着率を改善」
スキルで語る(ツール・知識)
使用経験のある採用管理システム(ATS)、人事システム、タレントマネジメントシステムなどの具体名を挙げましょう。SmartHR、freee人事労務、HRMOS、カオナビなどのHRテックツールの使用経験は、デジタル化を推進したい企業にとって大きな魅力となります。
【採用側のホンネ】人事マネージャーが20代転職者に求めること
ここまでは求職者の視点で解説してきましたが、ここでは視点を180度変えて、「採用する側」のリアルな声をお伝えします。人事部門の採用を担当するマネージャーが20代の候補者に対して実際に何を見ているのか、その「ホンネ」を知ることで、選考の通過率を大きく高めることができます。
書類選考で見ているポイント:経歴より「言語化力」
人事マネージャーが書類選考で最も重視しているのは、華々しい経歴ではありません。**「自分の経験を的確に言語化できているか」**です。
20代の職務経歴書は、どうしても「経験の薄さ」が目立ちがちです。しかし、採用側が見ているのは「経験の量」ではなく「経験の解釈」です。同じ「営業経験3年」でも、「法人営業を担当しました」と書く人と、「製造業を中心とした中小企業20社を担当し、顧客の人材課題についてヒアリングを行う中で、採用や定着支援に関心を持つようになった」と書く人では、評価がまったく変わります。
人事という仕事は、社員の声を聴き、経営に翻訳し、制度や施策として言語化する仕事です。だからこそ、「言語化力」が書類の段階で試されているのです。
面接で評価される人・落ちる人の決定的な違い
面接で人事マネージャーが最も評価するのは、**「一方的に話す人」ではなく「対話ができる人」**です。
人事の仕事は日々「対話」の連続です。社員からの相談を受ける、経営者に施策を提案する、部門長と採用要件をすり合わせる——すべてが「相手の話を聴き、自分の意見を述べ、合意形成する」プロセスです。面接でも、質問の意図を正確に汲み取り、自分の言葉で丁寧に回答し、必要に応じて質問を返せる候補者は高く評価されます。
逆に、「落ちやすい人」にはこんな特徴があります。
- 転職理由がネガティブすぎる人
「今の会社がブラックだから」「上司と合わない」という理由は正直ではありますが、面接官は「うちに入ってもまた同じことを言うのでは」と不安を感じます。
- 人事の仕事を理想化しすぎている人
「人に寄り添いたい」「社員を幸せにしたい」という動機は美しいですが、人事の実務には泥臭い場面も多くあります。退職勧奨の面談、評価に対する不満への対応、ハラスメント調査など、シビアな場面を想定した上での志望動機が求められます。
- 「御社の人事に入って学びたい」が前面に出る人
企業は「学ぶ場」ではなく「成果を出す場」です。「学びたい」よりも「前職のこの経験を活かして、御社のこの課題に貢献できる」という視点が求められます。
未経験20代を採用する企業側の本当の理由と不安
企業が未経験の20代を人事として採用する理由は、大きく3つあります。
理由1:人手不足が深刻で、経験者を待っていられない
前述の通り、人的資本経営の義務化やHRテック導入で人事部門の業務量は急増しています。経験者の採用市場は完全な売り手市場であり、条件に合う経験者が見つからない場合、「未経験でもポテンシャルのある若手を育てよう」という判断に至る企業が増えています。
理由2:「人事の常識」に染まっていない人材がほしい
長年人事をやっている人は、良くも悪くも「人事のやり方」が固まっています。一方で、異業種から来た20代は、新鮮な視点で既存の慣習に疑問を投げかけることができます。「採用のプロセスをもっと効率化できないか」「この研修は本当に効果があるのか」といった発想は、外部から来た人材だからこそ持てるものです。
理由3:デジタルネイティブとしてのHRテック適応力
先述のように、HRTechクラウド市場は年30%近い成長率で拡大しています。新しいツールやシステムの導入時に、20代のデジタルネイティブ世代が推進役になることを期待している企業は少なくありません。
一方で、企業側が未経験20代に対して持つ不安もあります。最大の懸念は「すぐに辞めないか」という点です。20代は転職率が12.4%と全年代で最も高く、企業側はコストをかけて育成しても短期離職されるリスクを常に気にしています。
面接では「長期的にこの会社で成長したい」というメッセージを、具体的な根拠とともに伝えることが重要です。
20代人事の年収データ【年代別・業界別・職種別】
「人事に転職したら、年収はいくらもらえるのか」は、転職を検討するうえで最も気になるポイントでしょう。ここでは、複数の公的データ・調査データを横断的に整理し、20代人事のリアルな年収水準を明らかにします。
20代人事の平均年収は約397万円〜424万円(公的データで検証)
20代人事の年収は、データソースによって幅があります。主要な調査データを並べて比較してみましょう。
| データソース | 20代人事の平均年収 | 調査概要 |
|---|
| doda平均年収ランキング2025(企画/管理系) | 424万円 | 20〜65歳の正社員約60万人が対象 |
|---|
| MS-Japan登録者データ(人事経験者の現年収) | 397万円 | MS-Japan登録の20代人事経験者 |
|---|
| MS-Japan転職決定者データ(人事・総務全体) | 539万円 (全年代平均) | 2023年通年の転職決定者 |
|---|
| 厚生労働省 賃金構造基本統計調査(庶務・人事事務員) | 514万円 (全年代平均) | 令和6年版 |
|---|
出典:doda 平均年収ランキング2025、MS-Japan、厚生労働省
dodaの全職種20代平均年収が365万円であることを考えると、人事職(企画/管理系)の424万円は約60万円高い水準にあります。
「人事は年収が低い」というイメージを持つ方もいますが、データで見ると20代のうちから平均を上回る収入を得られる職種であることがわかります。
業界別の年収差:IT・金融・商社が高年収の理由
同じ人事職でも、所属する業界によって年収は大きく異なります。
dodaの業種別平均年収データ(全職種)を参考にすると、
- 金融(500万円)
- メーカー(492万円)
- IT/通信(466万円)
- サービス(382万円)
- 小売/外食(364万円)
この差は人事職にもおおむね反映され、同じ「20代の採用担当」でも金融業界とサービス業界では50万〜100万円の年収差が生まれることがあります。
MS-Japanの求人データでもこの傾向は確認されており、上場企業の20代人事(非管理職)の想定年収は、従業員1,000名以上の大企業で575万円、100名未満の企業で482万円と、企業規模だけで約100万円の差があります。
また、外資系企業の人事ポジションは日系企業よりも年収水準が高い傾向にあり、20代後半で600万円以上のオファーを受けるケースも珍しくありません。dodaのデータでは組織/人事コンサルタントの20代平均年収が490万円、30代で684万円と、コンサルティング領域はキャリアの伸びが特に大きい分野です。
年収600万円以上を目指すキャリアパス3つの選択肢
20代のうちに年収600万円以上を目指すなら、以下の3つのルートが現実的です。
- ルート①:大手上場企業の人事マネージャーポジション
MS-Japanのデータでは、上場企業の20代管理職の想定年収は535万〜678万円です。20代後半で係長・リーダークラスに昇進すれば、600万円超は十分射程圏内です。
- ルート②:外資系企業の人事ポジション
外資系企業は成果主義の報酬体系を採用していることが多く、20代でも高い成果を出せば年収600万円以上が狙えます。JACリクルートメントの取り扱い事例では、20代の人事がIT専門商社から大手保険会社のHRIS(人事情報システム)ポジションに転職し、年収600万円から920万円にアップした事例もあります。
- ルート③:人事コンサルタントへのキャリアチェンジ
事業会社の人事から人事コンサルティングファームに移るルートも年収アップの有力な選択肢です。組織/人事コンサルタントの30代平均年収は684万円で、マネージャー以上になれば1,000万円超も珍しくありません。
20代人事のキャリアパス完全ガイド
人事に転職する際に「入口」だけでなく「その先のキャリア」を描けているかどうかは、転職の成功を左右する重要な要素です。
人事のキャリアパスには大きく4つの方向性があり、20代のうちにどの方向性を目指すかを意識しておくと、日々の業務での成長速度も大きく変わります。
①人事ゼネラリスト(担当→リーダー→部長→CHRO)
最もオーソドックスなキャリアパスです。採用、労務、教育研修、制度設計など人事の幅広い領域を経験しながら、管理職に昇進していくルートです。
典型的なステップは以下の通りです。
- 20代前半:採用アシスタント or 労務担当としてキャリアスタート
- 20代後半:採用担当 or 労務リーダーとして、チームを率いる経験を積む
- 30代前半:人事課長・人事マネージャーとして複数領域を統括
- 30代後半〜40代:人事部長として全社の人事戦略を担う
- 40代〜:CHRO(最高人事責任者)として経営に参画
このルートを選ぶメリットは「人事の全体像を理解できる」ことです。どの領域にも知見があるため、経営者のパートナーとして包括的な人材戦略を立案できる存在になれます。
一方で、スペシャリストほどの専門性は付きにくいため、転職市場では「何でもできるが飛び抜けた武器がない」と評価されるリスクもあります。
②人事スペシャリスト(採用/労務/制度企画の専門家)
特定の領域を深掘りし、その道のエキスパートになるルートです。
たとえば、採用を極めたスペシャリストは「採用マネージャー」「採用部長」「TA(タレントアクイジション)マネージャー」として、採用戦略の立案からエージェントマネジメント、ダイレクトリクルーティングの運用まで一気通貫で責任を持ちます。
労務のスペシャリストなら、社会保険労務士の資格を取得した上で、就業規則のリニューアル、労務デューデリジェンス(M&A時の労務リスク評価)、労使交渉など、高度な専門業務を担います。
スペシャリストルートの強みは「代替が効きにくい」ことです。特定分野の深い知見を持つ人材は転職市場でも希少で、年収交渉においても強いポジションを取りやすくなります。
③管理部門ゼネラリスト(人事+総務+法務で経営参謀へ)
中小企業やベンチャー企業に多いキャリアパスです。人事だけでなく、総務、法務、経理、情報システムなど管理部門全般を横断的にカバーしながら、「管理部門のゼネラリスト」として経営を支えるポジションを目指します。
典型的なステップは以下の通りです。
- 20代:人事(採用or労務)+総務を兼務
- 30代:管理部門マネージャーとして人事・総務・法務を統括
- 30代後半〜:管理本部長やCOO(最高執行責任者)として経営に参画
このルートのメリットは「経営全体を俯瞰できる」ことです。特にIPO準備中の企業やスタートアップでは、管理部門全般を一人で立ち上げた経験は非常に高く評価されます。将来的に独立して経営コンサルタントになったり、自ら起業する際にも活きるスキルセットです。
外資系・コンサルティングファームへの越境キャリア
人事としてのキャリアの「天井」を破る選択肢として、外資系企業やコンサルティングファームへの転身があります。
外資系企業の人事は、日系企業と比べてよりストラテジック(戦略的)な役割を求められることが多く、グローバルなHR方針のローカライゼーション、クロスボーダーのタレントマネジメント、M&A時の人事統合(PMI)など、スケールの大きな業務に携わることができます。
人事コンサルティングファーム(マーサー、ウイリス・タワーズワトソン、コーン・フェリーなど)に転職すれば、複数の企業の人事課題に携わることで、短期間で幅広い知見を蓄積できます。
dodaのデータでは組織/人事コンサルタントの30代平均年収が684万円、40代で773万円と、事業会社の人事より高い年収水準が特徴です。
20代でこのルートを目指す場合、英語力(TOEIC800点以上、ビジネスレベルの英会話力)とデータ分析スキル(Excel上級、BIツールの使用経験など)を磨いておくことが重要です。
志望動機・職務経歴書・面接の攻略法【例文付き】
転職活動の成否を分けるのは、書類選考と面接の質です。人事職への転職では、「人事という仕事への理解度」と「自分の経験との接点の語り方」が特に重要視されます。ここでは、未経験者・経験者それぞれの具体的な攻略法を例文付きで解説します。
未経験者向け志望動機の書き方テンプレート(2パターン)
パターンA:営業経験者 → 人事(採用担当)を志望する場合
「前職では法人向けIT製品の営業を3年間担当し、年間120社以上のお客様の業務課題に向き合ってきました。その中で特に印象的だったのが、多くの企業が『良い人材が採れない』という共通の悩みを抱えていたことです。お客様の採用支援に関わる機会を通じて、企業の成長に最も大きなインパクトを与えるのは『人材』であると確信し、採用のプロフェッショナルとしてキャリアを築きたいと考えるようになりました。営業で培った傾聴力と提案力を活かし、候補者一人ひとりと真摯に向き合いながら、貴社の採用目標の達成に貢献いたします。」
パターンB:事務職経験者 → 人事(労務管理)を志望する場合
「現在、総務部門で社内の書類管理や庶務業務を2年間担当しています。業務の中で社会保険手続きや入退社処理を補助する機会があり、従業員の生活基盤を支える労務管理の仕事に強いやりがいを感じました。正確さが求められる業務が得意であり、現在は衛生管理者の資格取得に向けて勉強中です。将来的には社会保険労務士の取得も視野に入れ、労務のスペシャリストとして貴社のバックオフィスを支える存在になりたいと考えています。」
志望動機で避けるべき表現
- 「人が好きだから」→ 抽象的すぎます。具体的なエピソードに落とし込みましょう
- 「ワークライフバランスが良さそうだから」→ 人事の仕事はバランスが取れない繁忙期もあります
- 「今の仕事がつまらないから」→ ネガティブな動機は必ず避けましょう
経験者向け職務経歴書で差がつく3つの記載ポイント
- ポイント1:担当領域と業務範囲を明確に記載する
「人事業務全般を担当」ではなく、「中途採用(年間20名規模、営業職・エンジニア職がメイン)」のように、具体的な範囲を示しましょう。読み手がイメージしやすくなります。
- ポイント2:成果を数字で語る
前述の実績棚卸しフレームワークを活用し、必ず定量的な成果を記載します。「採用計画達成率」「離職率の変化」「コスト削減額」「エンゲージメントスコアの推移」など、数字で語れるポイントを最低3つは盛り込みましょう。
- ポイント3:使用ツール・システムを具体名で記載する
HRテックツールの使用経験は転職市場での差別化要因です。以下のようなツール名を具体的に記載しましょう。
- 採用管理(ATS):HRMOS、Talentio、HERP、sonar ATS
- 労務管理:SmartHR、freee人事労務、ジョブカン
- タレントマネジメント:カオナビ、タレントパレット、HRBrain
- その他:Slack、Notion、Google Workspace、Excelの関数・マクロ
面接で頻出の質問と回答例5選
- Q1:なぜ人事を志望するのですか?(未経験者向け)
- 回答のポイント:前職での具体的な原体験→人事への関心→その企業で実現したいこと、の3段構成で答える。
- Q2:当社の人事部門にどんな貢献ができますか?
- 回答のポイント:事前に企業のIR情報や採用ページを読み込み、「御社は今○○というフェーズにあると理解しています。私の○○の経験は、その課題に対して○○という形で貢献できると考えています」と具体的に語る。
- Q3:人事の仕事で大変だと思うことは何ですか?
- 回答のポイント:「特にありません」は禁物。「守秘義務の重さ」「評価に対する不満への対応」「経営と現場の板挟み」など、人事の仕事のリアルを理解していることを示す。
- Q4:5年後のキャリアプランを教えてください
- 回答のポイント:前述のキャリアパス4類型の中から、自分が目指す方向性を具体的に語る。「まず3年間で採用業務の実務を身につけ、5年後には採用戦略の立案から実行までを一貫して担えるようになりたい」など、段階的な成長ストーリーを描く。
- Q5:現職(前職)の退職理由を教えてください
- 回答のポイント:ネガティブな理由(人間関係、待遇不満など)はそのまま伝えず、「人事という仕事を通じて実現したいこと」にフォーカスして前向きに転換する。
20代の人事職向け転職エージェントおすすめ7選
人事職への転職を成功させるうえで、転職エージェントの選び方は極めて重要です。「どのエージェントに登録すればいいのか?」と悩む方のために、20代×人事職に特化した視点で厳選した7つのエージェントを紹介します。
MS-Japan(MS Agent)
公式サイト:https://www.jmsc.co.jp/
1990年の創業以来、管理部門(人事・経理・法務・総務)と士業(公認会計士・税理士・弁護士・社労士)に特化してきた転職エージェントで、東証プライムに上場しています。
MS-Japanの最大の強み
30年以上にわたって管理部門の採用支援を行ってきた実績は業界随一で、上場企業の70%以上(約2,600社)から求人募集の依頼実績があります。
公開求人だけでも約10,900件(2026年2月時点)を保有しており、そのうち人事・総務関連のポジションが大きな割合を占めています。
企業と求職者の双方を同一のコンサルタントが担当する「両面型」のサポート体制です。企業の人事部門と直接やり取りしているコンサルタントが、選考のポイントや社風、求める人物像などのリアルな情報を提供してくれるため、ミスマッチを防ぎやすいのが特徴です。
人事・総務分野を専門とするキャリアアドバイザーが在籍しており、
- 「人事未経験だけど挑戦したい」
- 「労務からHRBPにステップアップしたい」
といった相談にも的確に対応してくれます。登録者の80%以上が実務経験3年以上の即戦力層ですが、20代の第二新卒やキャリアチェンジ層にも対応可能で、未経験OKの求人も約1,069件(約10%)含まれています。
- 得意領域:上場企業の人事・労務・総務、IPO準備企業の管理部門
- 20代へのメリット:管理部門に特化しているため、人事ポジションの独占求人が豊富。担当者の専門知識が深く、人事特有のキャリア相談ができる
- 公式サイト:https://www.jmsc.co.jp/
BEET-AGENT
公式サイト:https://beet-agent.com/
東証グロース上場の株式会社アシロが2022年9月に正式リリースした、管理部門・バックオフィス人材に特化した転職エージェントです。比較的新しいサービスながら、管理部門に絞った深い専門性で急速に存在感を高めています。
取り扱い求人の年収帯は600万〜2,000万円が中心で、リーダー・マネージャー・スペシャリストクラスのポジションに特に強みを持っています。
BEET-AGENTの強み
「両面型コンサルティング」を採用している点です。一人のコンサルタントが企業と求職者の双方を担当するため、「この企業がどんな人材を本当に求めているか」「書類では伝わらない社風はどうか」といった一次情報を直接得ることができます。
面接後のフィードバックも丁寧で、「面接官がどこを評価し、どこに懸念を感じたか」を具体的に共有してくれるため、次の選考に向けた対策を立てやすいと利用者から好評です。
登録者のうち人事職の比率は約25%で、人事マネージャー、HRBP、労務スペシャリストなど、ある程度の実務経験を持った上でキャリアアップを目指す層にフィットするサービスです。
20代では27歳以上の人事経験者がメインターゲットとなりますが、ポテンシャルの高い若手に対しても成長企業のリーダー候補ポジションを紹介するケースがあり、「20代のうちに裁量のある環境で挑戦したい」という方に向いています。
- 得意領域:人事マネージャー、HRBP、労務のスペシャリストポジション、年収600万円以上
- 20代へのメリット:27歳以上の人事経験者にとってキャリアアップ求人が充実。面接フィードバックの質が高く、選考力を高められる
- 公式サイト:https://beet-agent.com/
JAC Recruitment
公式サイト:https://www.jac-recruitment.jp/
1988年に日本法人が設立された、ハイクラス・ミドルクラスの転職支援に特化した転職エージェントです。
オリコン顧客満足度調査のハイクラス・ミドルクラス転職部門で8年連続No.1(2019〜2026年)を獲得しており、質の高いコンサルティングに定評があります。
世界11ヵ国34拠点を展開するグローバルネットワークは、外資系企業やグローバル企業の人事ポジションに転職したい方にとって大きなアドバンテージです。
JACRecruitmentの強み
約1,700名超のコンサルタントが業界・職種ごとの「専門チーム」に分かれている点です。
管理部門チームには人事・総務・法務に精通したコンサルタントが所属しており、「HRBP」「HRIS(人事情報システム)」「D&I推進」「タレントアクイジション」といった専門性の高いポジションの紹介実績が豊富です。
実際に、20代の人事がIT専門商社から大手保険会社のHRISポジションに転職し、年収600万円から920万円にアップした事例も公開されています。
JACRecruitmentがおすすめの人
推奨される登録ラインは年収500万円以上ですが、20代の場合はポテンシャルも考慮されるため、年収400万円台でも人事経験があれば面談可能なケースがあります。
また、子会社「JAC Career」では20代に特化した転職支援を展開しており、「まだハイクラスには届かないが、将来的にHRBPや人事マネージャーを目指したい」という20代前半〜中盤の方にも対応しています。
外資系を視野に入れている場合は、英語力の活かし方や外資系特有の選考プロセスについてもアドバイスを受けられます。
マイナビエージェント
公式サイト:https://mynavi-agent.jp/
株式会社マイナビが運営する総合型の転職エージェントで、利用者の85%以上が20〜30代という若手特化の強みを持っており、初めての転職で「何から始めればいいかわからない」という方にとって、最も安心して利用できるエージェントの一つです。
マイナビエージェントの強み
書類選考対策の手厚さにあります。専任のキャリアアドバイザーが職務経歴書の添削を複数回にわたって行い、模擬面接も実施してくれます。人事職の選考では「言語化力」が重視されるため、このサポートは特に大きなメリットです。
また、マイナビグループの強みとして、新卒採用支援で培った企業とのネットワークが豊富で、「この企業の人事部門はどんな組織体制か」「どんな人材を求めているか」といった内部情報を持っている点も見逃せません。
マイナビグループだからできる20代への注力
さらに、マイナビは20代専門の転職支援サービス「マイナビジョブ20’s」も運営しています。こちらは取り扱い求人の75%以上が未経験OKで、転職定着率は95.2%という高い実績を誇ります。
人事未経験の20代前半の方は、まずマイナビジョブ20’sに登録し、キャリアの方向性を整理した上でマイナビエージェントも併用するという流れが効果的です。担当アドバイザーが若手特有の悩み(「自分に合った仕事がわからない」「短い職歴をどうアピールするか」など)に寄り添ってくれる点も、初めての転職者にとって心強いポイントです。
- 得意領域:20代の初めての転職、未経験からのキャリアチェンジ、第二新卒
- 20代へのメリット:書類添削・面接対策の質が高く、初めての転職でも安心。マイナビジョブ20’sとの連携で未経験層にも手厚い
- 公式サイト:https://mynavi-agent.jp/
ワークポート
公式サイト:https://www.workport.co.jp/
創業20年以上の実績を持ち、全国52拠点を展開する大規模転職エージェントです。公開求人約132,000件という豊富な求人数に加え、登録者の90%が20〜30代で構成されているため、若手の転職支援ノウハウが蓄積されています。
リクナビNEXT「GOOD AGENT RANKING 2023年度上半期」で転職決定人数部門第1位を獲得するなど、実際の転職決定力で高い評価を受けています。
ワークポートの特徴
最大の特徴は「スピード」です。利用者の48%が登録から1ヶ月以内に内定を獲得しており、「今すぐ転職したい」「長期間の転職活動は避けたい」という方に最適なサービス設計になっています。
専任の「転職コンシェルジュ」がレスポンスの速さを重視した対応を行い、求人紹介から面接調整、条件交渉まで迅速にサポートしてくれます。
ワークポートの強み
もともとIT・Web・ゲーム業界に強いエージェントとしてスタートした経緯から、テック企業の管理部門求人に対する強みが際立っています。
SaaS企業やスタートアップの人事ポジション、HRテック企業の求人など、成長産業の人事職を探している方には特に有効です。
IT業界に限らず、近年はメーカーやサービス業などの非IT企業の求人も充実させており、幅広い業界の人事ポジションをカバーしています。
未経験からの転職にも積極的に対応しており、「どの業界が未経験OKの求人が多いか」「どの職種なら参入しやすいか」といった具体的な市場情報を提供してくれる点が、他のエージェントにない実践的な強みです。スピード重視で転職を進めたい20代には第一候補として検討する価値があります。
ASSIGN AGENT
公式サイト:https://assign-inc.com/agent/
2016年設立、創業メンバー全員がコンサルティングファーム出身という異色の経歴を持つ、20〜30代のハイエンド層に特化したキャリア支援サービスです。
一般的な転職エージェントが「求人の紹介」を起点とするのに対し、ASSIGN AGENTは「キャリアプランの策定」から入るという独自のアプローチを採用しています。
ASSIGN AGENTの強み
100万人超のキャリアデータに基づいて、一人ひとりにオーダーメイドのキャリアプランを作成し、そのプランに沿った求人を提案するため、「なんとなく転職したい」ではなく「5年後・10年後を見据えた転職」を実現できるのが最大の魅力です。
サポートの手厚さも群を抜いています。一人あたり5〜6回の面談を実施し、自己分析からキャリア設計、業界研究、企業選定、選考対策まで伴走してくれます。ビズリーチの年間総合MVP受賞(JAPAN HEADHUNTER AWARDS)という実績が、コンサルタントの質の高さを裏付けています。
ASSIGN AGENTがおすすめの人
人事職領域では、HRBP、組織開発マネージャー、タレントアクイジションリードなど、戦略人事系のポジションに特に強みがあります。
年収帯は500万〜1,000万円がメインゾーンで、20代後半の人事経験者が「次のステージ」を目指す際に力を発揮するサービスです。
ただし、未経験からの人事転職にはあまり向いておらず、すでに人事として一定の実務経験を持つ方がキャリアの方向性を明確にした上で転職活動に臨みたい場合に最も効果を発揮します。
- 得意領域:HRBP、組織開発、人事マネージャー、タレントアクイジション、年収500万〜1,000万円
- 20代へのメリット:長期的なキャリア戦略から逆算した転職先の提案が強み。「今だけでなく10年後のキャリア」を考えた転職ができる
- 公式サイト:https://assign-inc.com/
リクルートエージェント
公式サイト:https://www.r-agent.com
株式会社リクルートが運営する、日本最大級の総合型転職エージェントです。公開求人約75万件、非公開求人約22万件(2026年2月時点)と、他のエージェントを圧倒する求人数を保有しています。累計転職支援実績は37万名以上にのぼり、あらゆる業界・職種・地域をカバーする「転職エージェントの王道」的存在です。
リクルートエージェントの強み
最大の強みは、「量」です。人事職の求人だけでも数千件規模の取り扱いがあり、大企業からベンチャー、日系から外資系まで幅広い選択肢の中から自分に合ったポジションを探せます。
リクルートが公表しているデータでは、人事関連職種の求人件数は2018年度比で2.40倍に増加しており、HRBPやピープルアナリティクスといった新しい人事ポジションの求人も増加傾向にあります。
リクルートエージェントがおすすめの人
各業界に精通した専任のキャリアアドバイザーが担当し、求人紹介だけでなく、業界動向のブリーフィング、職務経歴書の添削、面接対策、年収交渉まで一貫してサポートしてくれます。転職活動の進捗管理ツール「Personal Desktop」も提供されており、求人検索・応募状況・面接日程を一元管理できる利便性も魅力です。
注意点として、求人数が圧倒的に多い分、担当アドバイザーの業界知識にばらつきがあるケースがあります。
人事職に特化した深い知見を求める場合は、MS-JapanやBEET-AGENTなどの特化型エージェントと併用するのがベストプラクティスです。「幅広い求人に触れてから絞り込みたい」という方には、最初に登録すべきエージェントの一つと言えます。
- 得意領域:圧倒的な求人数によるマッチング精度。全業界・全職種・全地域をカバー
- 20代へのメリット:とにかく多くの求人に触れたい方に最適。人事関連求人の増加率が高く、新しいポジションにも出会いやすい
- 公式サイト:https://www.r-agent.com/
エージェントを複数併用すべき理由と使い分けのコツ
転職エージェントは2〜3社を併用するのが成功のセオリーです。その理由は大きく3つあります。
- 理由1:エージェントごとに独占求人がある
MS-Japanにしか出ていない求人、JACにしかない外資系案件など、エージェントごとに取り扱い求人が異なります。1社だけの登録では、市場に出ている求人の一部しか見ていないことになります。
- 理由2:担当コンサルタントとの相性がある
どんなに優れたエージェントでも、担当者との相性が合わなければ良い転職はできません。複数登録しておくことで、最も信頼できるコンサルタントに出会える確率が高まります。
- 理由3:客観的な市場価値の把握ができる
各エージェントから提示される求人の年収帯や求められるスキルレベルを比較することで、自分の市場価値を客観的に把握できます。
| 経験レベル | おすすめ組み合わせ |
|---|
| 人事未経験の20代前半 | マイナビエージェント + ワークポート + リクルートエージェント |
| 人事未経験の20代後半 | MS-Japan + マイナビエージェント + リクルートエージェント |
| 人事経験1〜3年 | MS-Japan + BEET-AGENT + doda |
| 人事経験3年以上・ハイクラス志向 | JAC Recruitment + ASSIGN AGENT + MS-Japan |
おすすめの組み合わせ(経験レベル別)
特化型エージェントで「質」の高い求人と専門的なアドバイスを得つつ、総合型エージェントで「量」の選択肢を確保するという使い分けが最も効果的です。
よくある質問(FAQ)
20代で人事に未経験から転職できる?
はい、20代であれば未経験からの人事転職は十分に可能です。MS-Japanの調査データによると、管理部門の未経験OK求人は全体の約12.5%を占めています。
特に20代前半はポテンシャル採用の対象となりやすく、採用担当や労務アシスタントなどのポジションでは未経験者の受け入れに積極的な企業が多くあります。ただし、27歳を超えると未経験での転職は難易度が上がるため、早めの行動が重要です。
人事の転職は難しいと言われる理由は?
人事の転職が難しいと言われる主な理由は2つあります。1つ目は「求人数の絶対数が少ない」ことです。人事部門は一般的に少人数で構成されており、営業職やエンジニア職と比べて求人の母数が限られます。
2つ目は「専門性が評価されにくい」ことです。人事の成果は売上のように数値化しづらいため、転職の際に実績をアピールする工夫が必要です。ただし、人的資本経営の義務化により人事求人は増加傾向にあり、以前と比べて状況は改善しています。
人事に向いている人はどんな人?
人事に向いている人の特徴として、
- 秘密を守れる信頼性の高い人
- 相手の話を丁寧に聴ける傾聴力がある人
- 物事を客観的かつ公平に判断できる人
- 地道な事務作業を正確にこなせる人
- 変化に柔軟に対応できる人
の5つが挙げられます。逆に、「自分の意見を強く主張したい」「ルーティンワークが苦手」「秘密を守るのが苦手」という方は、人事職との相性が良くない可能性があります。
営業から人事へのキャリアチェンジは可能?
営業から人事へのキャリアチェンジは、人事未経験者の転職パターンの中で最も成功例が多いルートの一つです。営業で培ったコミュニケーション力、目標管理力、提案力は、特に採用担当の業務とダイレクトに結びつきます。
また、人材紹介会社のRA(リクルーティングアドバイザー)やCA(キャリアアドバイザー)を2〜3年経験した後に事業会社の人事に転職する「ステップ転職」も王道ルートとして知られています。
転職エージェントは使うべき?
20代の人事転職では、転職エージェントの活用を強くおすすめします。特に管理部門特化型のエージェント(MS-JapanやBEET-AGENTなど)は、一般の転職サイトには掲載されない人事職の非公開求人を多数保有しています。
また、人事職の選考では書類の「言語化力」が重視されるため、職務経歴書の添削サービスが充実しているエージェントを選ぶと選考通過率が大きく向上します。2〜3社を併用して、特化型で質の高い求人を、総合型で幅広い選択肢を確保するのが最も効果的な活用法です。
まとめ:20代は人事キャリアの”最強の武器”になる
本記事では、20代で人事に転職するための戦略を、市場動向、仕事内容、年収データ、キャリアパス、選考対策、おすすめエージェントまで包括的に解説してきました。
最後に、この記事の要点を整理します。
20代人事転職の「今」がわかる3つの数字:
- 人事関連求人は4年で2.40倍に増加
- 20代人事の平均年収は424万円で、全職種平均より約60万円高い
- 未経験OK求人は全体の約12.5%——門戸は確実に開かれている
転職を成功させるための3つのアクション:
- 年齢に合った戦略を取る:23〜25歳はポテンシャル採用、25〜27歳はキャリアチェンジ最適期、27〜29歳は専門性で勝負
- 資格で「本気度」を示す:衛生管理者やメンタルヘルス検定は短期間で取得可能。社労士は長期戦だが取れれば最強
- エージェントを戦略的に使う:特化型(MS-Japan、BEET-AGENT)+総合型(リクルートエージェント、マイナビエージェント)の2〜3社併用が鉄則
20代という時間は、キャリアにおいて最も「試行錯誤が許される」期間です。人事という仕事は、人と組織の成長に関わるやりがいのある職種であり、今後も需要が拡大し続ける分野です。この記事が、あなたの人事キャリアの第一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。