司法書士の平均年収は650万円|弁護士・税理士・行政書士など他士業との年収比較

この記事のURLとタイトルをコピーする
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
司法書士_年収

司法書士の年収は650万円といわれています。

都市部か地方部によってバラつきはあるものの、この金額は一つの目安といっていいでしょう。

この650万円という数字は果たして合格率4%という高い壁を乗り越えなければならない程の価値があるものなのでしょうか

先に他士業との平均年収を比較してみると・・・

司法書士 行政書士 社会保険労務士 弁護士
平均年収 650万円 300万円 650~700万円 765万円
合格率 3%前後 10%前後 9% 30%(※)

(※)の弁護士は、法科大学院を卒業した場合の合格率です。一見、合格率が高く簡単に見えますが、法科大学院に入るなど、受験資格を得るまでのハードルが高く、実際の合格率は司法書士と同様といわれています。

年収の高さ=合格率の低さではないことがご理解頂けたでしょうか。これだけ見れば、確かに「難易度が優しく、稼げる資格」ではありません。世の中そうはうまくいきませんね。

もっと、楽に・稼げる資格はないのでしょうか?

今回は、他士業との現状や、司法書士の今後の将来性も含め多角的に分析してみました。

司法書士の年収がいくらぐらいなのか、丸裸にしてみたいと思います!

 

司法書士の平均年収はいくらか?

司法試験と並んで、最難関の国家資格といわれている司法書士。その合格率はわずか4%前後です。平成30年度は3.5%だった様なので、少し上がった様ですが、以前難関といって良いでしょう。

平成31年度(2019年度)司法書士試験の最終結果について
試験日 筆記試験(7月7日),口述試験(10月15日)
出願者数 16,811人
受験者数 13,683人(午前の部及び午後の部の双方を受験した者の数をいう。)
合格者数 601人(男466人・77.5% 女135人・22.5%)
筆記試験合格点 満点280点中197.0点以上
午前の部の試験(多肢択一式問題)については満点105点中75点に,午後の部の試験
のうち,多肢択一式問題については満点105点中66点に,記述式問題については満点7
0点中32.5点に,それぞれ達しない場合は,それだけで不合格とされました。
引用元:平成31年度(2019年度)司法書士試験の最終結果について(資料)

司法書士の合格率参考:2019年司法書士白書

はたして合格後の司法書士は、難しい試験に何度もチャレンジして、合格する価値がある資格なのでしょうか。

インターネットで検索すると、「喰えない資格」とか「月収20万」とか、大卒の初任給と同じくらいの金額が出ているときもあります。

 

司法書士の平均年収

インターネットで「司法書士 年収」と検索しますと、いろんな情報が錯綜しており、どれが正しい数値か分かりません。そこで、本サイトでは、日本書士連合会が行ったアンケートの調査結果を元に分析してみたいと思います。

2019年の司法書士白書によれば、2016年の確定申告上の司法書士取得金額の合計は下記の通りとなります。

表:平成 29 年分の年収(所得)※回答者数:41名

0円 1人
100万円未満 1人
100~200万円未満 3人
200~300万円未満 5人
300~400万円未満 3人
400~500万円未満 6人
500~600万円未満 2人
600~700万円未満 2人
700~800万円未満 3人
800~900万円未満 2人
900~1000万円未満 0人
1000〜2000万円未満 6人
2000〜4000万円未満 1人
4000〜7000万円未満 0人
7000〜1億円未満 0人
1億円以上 0人
無回答 6人

司法書士年収引用元:2019年司法書士白書

司法書士に限らず、ほとんどの仕事・業種において地方部より都市部の方が仕事がある=収入が高い傾向があります。

表:司法過疎地で開業した1年目の年収(所得)

ので、もしこの記事をご覧になった現役の司法書士の先生がいらっしゃったら

思ったより自分はもらっているな・・

と感じた先生もいらっしゃるかもしれません。

行政書士の平均年収

司法書士と類似した資格として行政書士があります。上記合格率でもお分かりの通り、行政書士試験の方が司法書士試験より合格率がやや高く、また、試験範囲も一部重複していることから、行政書士試験に合格→司法書士試験にチャレンジといったステップを踏まれる方は少なくありません。

問題は、行政書士の平均年収の正確な数字はわからないことです。

「行政書士 年収」と検索すると600万円前後という記載は多く目にしますが、おそらくそれは行政書士事務所の年間売り上げを元に産出しているようです。

9.年間売上高
年間売上高 人数 割合(H30) 割合(H25)
500万円未満 3415 78.7% 78.0%
1,000万円未満 492 11.3% 11.4%
2,000万円未満 230 5.3% 5.0%
3,000万円未満 80 1.8% 1.9%
4,000万円未満 35 0.8% 0.9%
5,000万円未満 23 0.5% 0.6%
1億円未満 36 0.8% 0.7%
1億円以上 1 0.3% 0.3%
未回答 16 0.4% 1.2%
合計 4,338 100.0% 100.0%

参考:2018年月刊日本行政

あくまで行政書士としての売り上げであり、年収ではありません。諸経費は人件費が主だと思うので、おおよそ自身の年収を売上の30%〜40%としていたなら下記に様になり、175万円〜350万円台で約90%を占めているので、平均年収は263万円〜300万円程度だと予想されます。

年間売上高 35%を年収とした場合 割合(H30)
500万円未満 175万円 78.70%
1,000万円未満 350万円 11.30%
2,000万円未満 700万円 5.30%
3,000万円未満 1,050万円 1.80%
4,000万円未満 1,400万円 0.80%
5,000万円未満 1,750万円 0.50%
1億円未満 3,500万円 0.80%
1億円以上 3,500万円以上 0.8%

他士業に比べると圧倒的に低い印象です。

行政書士の実務

また実務面においても、業務内容が「官公庁に提出する書類の作成、代理、相談」と非常に似ています。ざっくりと説明しますと、書類の提出先が

  1. 法務局や裁判所、検察庁、法務省関連=司法書士、
  2. 法務省国土交通省をはじめとした省庁、都道府県、市区町村=行政書士

という理解でいいと思います。

事実、司法書士事務所のホームページでも「司法書士・行政書士 ●●」と明記している先生方も少なくありません。一つより二つ資格を有していた方が、仕事の幅も広がりますし、お客様にとっても「この先生は色々と知ってそう」という宣言効果にもつながります。

行政書士は兼業している方が非常に多い資格

一つ注意しなければならないのが、行政書士は兼業している方が非常に多い資格です。司法書士はもちろんのこと、士業以外でも、経営コンサルタント業務を行っている人もいます。中には、名刺に「行政書士」の文字を入れていな人もいます。

従って、先ほどもご紹介した、行政書士の年収が600万という数字は、行政書士以外の収入も含まれるの可能性はありますね

そこで行政書士の主要業務について、いくつかリストアップしてみました。

建設業許認可(新規) 5~10万
農地法関連 3~5万
宅地建物取引業者免許申請(新規) 5~10万
一般貸切旅客自動車運送事業許可申請(新規) 35万
風俗営業許可申請(新規) 10~15万
在留資格認定 10万
会社設立手続(定款認証など) 10万
契約書作成 1万

2015年日本行政書士会連合会調べを元に作成

確かに数十万を超える業種もある一方で、大学生のアルバイト月収より低い金額もあり、うまく事業を展開しないと、たちまち赤字になりそうです。

社会保険労務士の平均年収

社会保険労務士の平均年収は650~700万といわれています。社会保険労務士は、年金に関する相談など、個人の方がお客さんになることも多いですが、企業がお客さんとなるケースが圧倒的に多い資格です。

企業の従業員に関する業務が多い

税理士や公認会計士が、企業のおカネに関する資格であるのに対し、社会保険労務士は企業のヒト(従業員)に関する事柄を業務内容としています。具体的には雇用時の社会保険への加入手続きや、退職時の脱退手続きがあります

他にも、勤務中における事故に関する相談や手続きも行うなど、業務の内容は広範囲にわたるとされています。

弁護士などに比べて、いまいち知名度が低い資格ですが、実は士業の中で最も注目されている資格です。理由は、民営化・自由化と働き方改革です。

社労士が注目の士業である背景

今まで国が運営していた業種(例えば、郵便関連など)が、民営化する流れは2020年現在も進行しています。また、事業が民営化・自由化されることにより、これまで国が行っていた事業に様々な会社が参入するようになっています。

つまり、企業からすれば新たな事業を開始する際、従業員の環境を整える必要があり、その際に、労働環境整備のプロである社会保険労務士が一役買うのです。

また、近年は含め、働き方改革が叫ばれています。大企業であろうと、中小企業であろうと、雇用者は従業員の労働環境を整備する必要があります。この場合においても、労働環境のプロである社会保険労務士の出番となります。

弁護士は、法律上、司法書士・行政書士業務だけでなく、社会保険労務士業務も行うことは可能です。しかし、社会保険労務士の業務は、法律上だけでなく、厚生労働省の規則など、法律以外の知識も必要とされることが少なくなく、他士業と競合することはあまりないのも、魅力の一つです。

弁護士の平均年収

弁護士の平均年収は765万円とされています。

法律をプロ中のプロである弁護士。難易度も、国家試験の中で司法書士よりも難しいとされます。難易度と比例して、収入に関しても士業の中でトップクラスです。統計上はあくまで平均値ですので、中には億を超える年収を得ている弁護士も多くいます。

弁護士の仕事については、最近、弁護士を題材としたドラマやアニメが数多く放映されていることもあり、ご存じの方も多いと思います。

刑事事件で、犯人を無罪にする・罪を軽くしてもらうべく奮闘する姿や、民事事件において、依頼人・雇い主が有利あるいは裁判で勝つように進めていくのが仕事です。

弁護士の平均年収は765万円という現実|弁護士が稼げなくなっている理由と年収を上げる方法

弁護士はインハウス化の流れが加速

弁護士といえば裁判所というイメージを持たれる方も多いですが、近年は裁判所外の仕事、例えば、サラリーマンのように企業に就職し、企業同士の取引を担当する弁護士や、中には、海外進出する企業や日本に参入する企業が増加したことから、グローバルに働く弁護士も増えてきています。

高収入を得ている弁護士は、どちらかといえば後者の業務を数多く取り扱っている傾向にあるようです。

企業内弁護士は増加傾向にある

日本弁護士連合会の企業組織内弁護士数の現状推移によると、全国の企業内弁護士数は、2018年6月30日現在で2,161人、任期付公務員数は2018年6月1日 現在で207人となっています。なお、任期付公務員数は、2018年6月1日時点で弁護士登録をしている者に ついて計上しています。

企業内弁護士の数は2008年には266人しかいなかったのに対して、2018年には2,161人と約8倍に増えました。また、中央省庁等や地方公共団体において、任期付きで採用された職員任期付公務員についても2008年の61人から2018年は207人と約3倍に増えています。
引用元:インハウスローヤーとは|採用増加の背景と法律事務所と違う働き方・年収事情を徹底解説

司法書士が年収を上げるための5つの方法

では、司法書士が年収を上げ、勝ち残るにはどのようにしたらいいのでしょうか。ポイントをいくつか挙げてみたいと思います。

地域の特色に沿った営業努力

やはり、司法書士業務のメインである登記はかかせません。中には、登記業務を一切行わず、裁判関連の業務しか行わない司法書士の先生もいます。しかし、司法書士=登記の専門家という認識でいる人が圧倒的に多いでしょうから、登記に関する相談がされても一切分からないというのは信頼にも関わり、登記以外の業務にも影響を及ぼす可能性があります。

従って、登記関連の営業活動は欠かせません。ただ、やたらと営業を行っても費用対効果が悪いです。

  1. 575,234
  2. 223,407
  3. 184,363
  4. 13,148
  5. 11,810
  6. 10,613

この6個の数字の意味が分かりますか?

この数字は、日本国内の都道府県別の法人数ベスト3とワースト3です。

  • 1位東京:575,234社
  • 2位大阪:223,407
  • 3位神奈川:184,363
  • ・・・
  • 45位島根:13,148
  • 46位佐賀:11,810
  • 47位鳥取:10,613

です(国税庁調べ)。

https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/hojin1998/06.htm

つまり、法人数が少ない地域で商業登記を行おうとするより、都市部など法人数が多い地域で商業登記を行った方が、顧客獲得にもつながる確率が高くなります

従って、商業登記を取り扱いたい場合は、不動産を取り扱う不動産会社などより、企業設立の支援を行っている場所やセミナーなどに営業活動を行った方が、はるかに効率よく顧客獲得につながります。

司法書士に限らず、すべての士業についていえることですが、インターネットが普及している現在でも、「インターネットで調べて見つけた」という顧客より、「知り合いから紹介を受けた」がきっかけのことが多い世界です。

直ちに、顧客獲得につながるかは微妙ですが、地域の特色に合わせた営業活動は必須といえるでしょう。

同じ士業とのつながりも大切にしよう

1と繋がっていますが、同じ士業との繋がりもおろそかにしてはいけません。知り合いの紹介以外にも、同じ士業からの紹介を受けることもよくあります。特に地方においては、次世代育成のために、積極的に新人司法書士の教育の意味合いもかねて、積極的に仕事の紹介を行っているようです。

地方の司法書士は、先ほどの法人の数が示す通り、都市部に比べ、件数が少なくなりがちですから、積極的に同じ士業との繋がりを深め、仕事を紹介した方が確実かもしれません。

新規参入の分野も検討しよう

日本全体でいえば、登記が必要でない賃貸マンションへの入居も増加している傾向もあり、不動産登記の件数は徐々に減ってきているのが現状です。社会問題となっている空き家問題対策のため、登記申請が義務付けられる制度改革が進められてはきているものの、爆発的に仕事が増えることにはならなさそうです。

ここで着目すべきな動きが、日本司法書士連合会が進めている新規参入です。日本司法書士連合会は、裁判所関連の業務に関し、もっと司法書士の権限を拡大させようと動いております。

4 民事裁判手続のIT化における司法書士の役割
民事裁判手続のIT化により民事裁判手続の利便性が高まることは歓迎すべきことであるが,その恩恵を,資格者代理人やIT利用環境に恵まれた企業など一部の利用者だけが受けるということがあってはならず,日常生活の合間に裁判をせざるをえないような本人訴訟の当事者についても,IT化の利便性を享受することができるような配慮が必要である。民事裁判手続のIT化については,まずは地方裁判所における民事訴訟に導入することが念頭に置かれているが,その後にはさらに,国民に身近な裁判所である簡易裁判所においても導入を進めるのであり,本人訴訟のサポート体制を充実したものとする必要性は一層高まることになる。
当連合会は,国民の権利を擁護し,もって自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とする(司法書士法第1条(令和元年法律第29号))司法書士が,この課題に積極的に対応すべきと考えている。
今後,例えば,全国157箇所(令和元年9月11日現在)で稼動している司法書士会総合相談センターの窓口において,当連合会の支援の下,IT機器を設置して,本人訴訟の当事者に対し,民事訴訟の追行に必要なIT面のサービス(機器の貸与にとどまらず,裁判書類の提出・閲覧・相手方提出書類の入手等のための支援なども考えられる。)を提供する事業を開始することや,全国各地に存在する司法書士事務所において,司法書士が,本人訴訟の当事者の依頼に応じて,従前の業務に加え,必要なIT面のサポートサービスを提供することなどについても,積極的に検討・対応していきたいと考えている。

引用元:日本司法書士連合会|民事裁判手続のIT化における本人訴訟の支援に関する声明

この動きが認められた場合、早い段階に動き出せば、まだライバルとなる司法書士も少ないでしょうから、顧客獲得につながるビックチャンスになります。

他士業との連携も大切にしよう

同業者だけでなく、他士業との連携も大切にしましょう。司法書士は登記関連がメイン、行政書士が許認可申請がメイン、税理士は税金関係がメイン業務となっており、それぞれ得意分野もあれば、法律的に行ってはならない業務もあります。

例えば、会社を1社作るとなっても、

  1. 定款を作る(ていかん。会社の基本ルール):行政書士の得意分野
  2. 登記申請を行う:司法書士の得意分野
  3. 税金関係の届け出を行う:税理士の得意分野

と色々な士業が関わっていることがわかります。

顧客からすれば、色々な士業を探すより、どこか1つ士業の先生に依頼をした方が楽に決まってます。買い物をする場合も、八百屋や肉屋、薬屋と色々ハシゴするより、色々と揃っているスーパーマーケット1箇所に行った方が楽ですよね、それと同じイメージです。

ダブルライセンスを目指そう

これまで紹介した方法は、いずれも相手があって成り立つものでした。他に方法がないのか?と言われれば、それは自分で勉強して、行政書士など他の資格に合格することでしょう。

先ほど、「行政書士:平均年収」でもご説明した最も兼業の多い行政書士を例に例える、司法書士の業務にも加え、行政書士の業務も行うことが可能です。

また、名刺などにも「司法書士 ●●」というより「司法書士/行政書士 ●●」と複数の資格があった方が、「この人できそう。。。」というイメージアップにもつながります。

最も、司法書士の試験に合格するのに大変な上に、他の資格を取得することは並大抵の努力で達成できるものではありません。他の方法も、地道な営業努力が必要になりますし、どうやら楽して収入アップになる裏ワザはなさそうです。

司法書士の今後|活躍の場はどのようになるか?

今後、AIの技術が進むと、私たちの仕事は色々と変化するといわれています。しかし、司法書士業務に関しては、高度な法律知識が必要とされており、まだまだAIだけでは対応できず必須の資格といえます。

むしろ、地方を中心とした司法過疎地域については、法制度の整備が必要にも関わらずコストパフォーマンスの問題から弁護士は積極的に介入しようとしません

また、高齢化社会がますます加速化し、後見人問題についても同様です。

そして司法書士の活躍の場は、登記関連の域だけでなく、町医者ならぬ街の法律家として、ますます私たちにとって身近な存在となっていくでしょう。

まとめ

司法書士の平均年収は650万円前後。司法書士の今後についても、AIの技術が進化しても、司法書士が無くなることは考えられません。むしろ、本来の業務である登記関連以外の分野について、司法書士のニーズがますます高まっていくことが予想されます。

     

FOLLOW UP CONTENTS