社会保険労務士の仕事内容7つ|独占業務や報酬額の相場・社労士の選び方も解説!

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社労士_仕事

社労士という職業をご存知ですか。名前は聞いたことがあるけれど、あまり詳しく知らないという人も多いと思います。

社労士というのは略語で、正しくは「社会保険労務士」と言います。名前から何となくわかるように、社会保険や労務に関する仕事をしています。

企業が人を雇い入れるときに必要な規則を作成したり、社会保険や労働保険の加入手続き、助成金のアドバイスなどさまざまな仕事を担っています。

今回は、社会保険労務士の業務内容についてご紹介します。

 

社会保険労務士の仕事には独占業務がある

そもそも、社会保険労務士の仕事とはどのようなものがあるのでしょうか。社会保険労務士は社会保険や人事労務管理のプロであり、社会保険労務士法という法律に基づいた国家資格ということになります。

簡単に言えば、彼らは労働や社会保険に関する相談を受け、それを解決することが仕事です。

社会保険労務士の仕事の中には独占業務と言われるものがあります。

社会保険労務士の業務には1号業務、2号業務、3号業務と言われるものがあり、そのうちの1号業務、2号業務が社会保険労務士の独占業務とされています。

1号業務とは

  • 労働保険の書類の作成
  • 提出代行、健康保険や雇用保険などへの加入
  • 脱退手続き、給付手続きや助成金の申請 など

2号業務とは

  • 労働社会保険諸法令に従う帳簿書類の作成
  • 労働者名簿や賃金台帳の作成請負
  • 就業規則や各種労使協定の作成 など

3号業務

  • 企業の労務管理や社会保険に関する事項についての相談、指導、アドバイス等

参考:社会保険労務士法第二条

1号業務

1号業務は『労働および社会保険に関する諸法令に基づいて申請書等を作成』することです。申請書類とは、離職票の発行や社会保険の資格取得・喪失届、助成金の申請などが含まれます。

2号業務

『労働および社会保険に関する諸法令に基づいて帳簿書類を作成』するのが2号業務です。職場内にある労務関連の書類を、雇用契約書や出勤簿、賃金台帳への記載などを行います。

3号業務

『労働、社会保険に関する事項について相談に応じ、指導』することです。簡単に言えば労務コンサルティングといって良いでしょう。人事制度や労務に関するアドバイスをするのが主な業務です。

「人事コンサルタント」と呼ばれる一般のコンサルタントもいることから、線引きが難しく、『事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について相談に応じ、又は指導すること。』という記載からでは判断できないのですが、

第二条の二 社会保険労務士は、事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について、裁判所において、補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに出頭し、陳述をすることができる。
引用元:社会保険労務士法第二条の二

上記のような項目が続くことを見ると、裁判まで関われるかどうかの違いかと思われます。

社労士の独占業務である1号業務と2号業務とは?違反時の罰則と他士業との関係

社会保険労務士の主な仕事内容7つ

つづいて、社会保険労務士の具体的な業務内容について見ていきましょう。

社会保険の申請や給付手続き・代行業務

企業が人を雇うと、社会保険に関する手続きが必要になります。社会保険とは、国民保険、厚生年金保険と言った公的年金と健康保険、介護保険のことを指します。

こちらはいわゆる「1号業務」に該当する業務です。社会保険の手続きは煩雑で専門性の必要な業務なので、人事担当者の手に負えないことも多いのです。社会保険の被保険者資格取得や喪失の手続き、社会保険の適用に必要な届出などがメインの業務になってきます。

労働保険加入や更新等の手続き、代行

社会保険の手続きと同様に、労働保険の加入手続きを行うことも社会保険労務士の仕事の一つです。労働保険には、労働者が失業した際に労働者の生活をサポートし、再就職を支援する雇用保険と、業務上の事故や通勤中の事故でケガや病気になったときに補償される労災保険というものが存在します。

こういった労働保険の加入・資格喪失手続き、いざというときの給付手続き、保険料徴収や納付の手続き等が業務となってきます。

就業規則、雇用契約書等の書類作成

誰でも勤務先の就業規則を確認したことがあると思いますが、この就業規則を作るのも社会保険労務士の仕事の一つとなります。労働関係法令上、就業規則だけでなく、労働者を雇用すると必ず整備し、保管しておかなければならない帳簿というものが存在するのです。

たとえば、

  1. 労働者の氏名や生年月日、雇入年月日などを記載した「労働者名簿」
  2. 労働日数や労働時間、時間外労働時間数などを記録する「賃金台帳」
  3. 始業・終業時刻や労働時間報告等を記載する「出勤簿等」など

いわゆる「法定三帳簿」と呼ばれるものであり、整備が必要な帳簿となります。

これらの作成のほか、就業規則や雇用契約書等の作成も社会保険労務士の業務となります。ちなみにこちらは「2号業務」として知られています。

各種助成金の相談、申請手続き等

企業が受け取れる助成金にはさまざまな種類があります。社会保険や労働の分野には数多くの関連法令があり、助成金の申請や手続きも簡単なものではありません。

自分たちで「この会社が受け取れる助成金って?」ということを調べるだけでも大変ですし、給付対象になるのか、なるなら申請要件はどのようなものが必要なのかを調べるのも骨が折れます。

会社にとって必要な助成金。助成金を客観的にアドバイスしてくれる存在として社会保険労務士に依頼する企業も多いので、社会保険労務士の業務の一つになっています。

人事労務に関するコンサルティング業務

社会保険労務士という雇用関係の法律の専門家としての立場で、人事や労務関係のコンサルティングを行い、トラブルを未然に防いだり、企業や働く人たちがより快適に過ごせるようなアドバイスをしたりすることもあります。

人事労務に関するコンサルティング業務は社会保険労務士の独占業務というわけではありませんが、人事や労務関係のプロフェッショナルであり、関係法令に詳しい社会保険労務士に依頼したほうが安心だと思う企業も多いのではないでしょうか。

こういった企業の依頼により、社会保険労務士の業務の一つとして人事労務に関するコンサルティング業務が定着してきました。

企業からの労務に関する相談受付

企業から労務に関して相談を受けることも社会保険労務士の業務の一つです。それぞれの企業によって抱えている課題や悩みは異なります。その悩みを聞きながら、労働時間の管理や賃金などの適切な管理をサポートします。

労務管理というのは非常に難しい問題です。企業ごとに適切な賃金や労働時間というのは異なりますし、課題もちがいます。

相談を受け付けながらそれをサポートするのが社会保険労務士の業務の一つです。

紛争解決手続代理業務

社会保険労務士の業務の中には、ADR代理業務というものもあります。これはすべての社会保険労務士が可能な業務ということではなく、特定社会保険労務士にのみ可能な業務です。

特定社会保険労務士とは、多くの研修を修了し、試験に合格したのち、名簿に付記された社会保険労務士のこと。そしてADRとは、裁判外紛争解決手続きのことをいいます。

特定社会保険労務士の仕事は、トラブルが起きたときに両者の言い分を聞きながら「あっせん」によって簡単、迅速に解決することです。

社会保険労務士を活用するメリット5つ

社会保険労務士を活用して、会社の経営状態を改善したり労務関連制度を整備したりすることが可能です。社会保険労務士を活用することで、さまざまなメリットが得られます。

本業に専念することができる

人事や労務関連の手続きというのは非常に複雑で、自分でやろうとすると非常に時間を取られてしまいます。

また、手続きが複雑なのできちんとできているか不安を抱えながら手続きをすすめなければならず、不完全な手続きだと再度手続きをし直す必要が出てきたりして、想像以上に手間を取られることになってしまいます。

そこを専門家である社会保険労務士に依頼することで、自分たちは本来やるべき仕事に専念することができ、時間も手間もかからないうえに正確な手続きで安心できるというのは非常に大きなメリットですよね。

人事・労務関係のトラブルを未然に防ぐことができる

人事・労務関連のトラブルが起こると企業も大変ですが、そのほかの労働者も居心地の悪さを感じることもあります。

働く人々が会社に対して不信感を抱いたり、会社のやり方に違和感を抱いたりすると社員の仕事への熱意も集中力も消えてしまいますよね。

そういうトラブルが起きることを未然に防ぐことは、経営を考えるうえでも非常に重要なのです。そのため専門家である社会保険労務士にアドバイスをもらったり、適切な管理をもしてもらったりすることで、トラブルの火種を探してひとつずつ改善していけるというのも社会保険労務士を活用する大きなメリットです。

人材の有効活用ができる

人材をより有効に活用していくというのは、企業にとって非常の大きな課題です。人材の活用が進まない限り効率も生産性もあがりませんし、社員のモチベーションが低ければいい成果が出せなくなってしまいます。

そこで社会保険労務士を活用し、自社が抱える人材活用の課題を探し出したり、課題解決に向けた取り組みを行ったりすることで人材をより有効に活用していくことができ、人材や労務管理に関する経営課題を解消することができます。

専門知識を活かしたアドバイスが受けられる

人材コンサルティングや人事・労務管理コンサルティングの会社に委託することができる業務もありますが、彼らは資格を保有していないことも多く、そういう意味では経験が豊富なプロではあるかもしれませんが、その道の精通した専門家とは言えません。

プロであり法律の専門家である社会保険労務士に委託することで、安心して任せられますし法律の専門知識を活かしたアドバイスを受けることができるのです。

専門家のサポートを受けながら安心して経営ができる

社会保険労務士は人事関連のサポートだけでなく、受け取れる給付金についてアドバイスしたり、助成金を受け取るための条件を熟知しているのでそのために必要なことをサポートしてくれます。

受け取れる助成金はできるだけ多く受け取りたいと思う経営者の方も多いでしょう。会社を成長させるにはお金が必要だということは言うまでもありません。

助成金給付のために何をすべきかサポートしてもらえるのは非常に心強いですよね。こういった幅広いサポートをしてくれるのも社会保険労務士を活用するメリットなのです。

社会保険労務士の費用相場

それでは、社会保険労務士を活用するのにどのくらいの費用がかかるのか見ていきましょう。

社労士の費用は単発か顧問契約で変わる

社労士事務所によって、さまざまなプランを展開しており、

  • 社会保険や労働保険などの手続き代行や労務管理に関するサポート
  • 助成金に関する情報提供などをまるっと任せられる顧問契約のパターン

だと多くが月額いくらという契約になります。

手続きの手間があるため従業員数に応じて料金が設定されている場合もありますし、どこまでやるのかという業務範囲によっても変わる場合があります。

事務代理や手続き代行業務、アドバイス業務は行うけれど給与計算は代行しないパターンや事務代理や手続き代行業務は不要なのでアドバイスだけほしいなど、企業の実情に合わせて契約形態を選べる事務所もあります。

業種や契約年数によっても報酬が変わる

また業種や契約年数によっても報酬が変わるところがあるので注意しましょう。

  • 手続き代行を含む顧問契約の場合、
  • 30名以下の企業は月額1,5000~45,000円前後
  • 31~100名以下の企業は月額120,000~150,000円前後
  • 100名以上は協議、相談の上決定

となっている場合が多いようです。

一方で、就業規則の作成を依頼すると言った特定の業務に絞って以来することも可能です。

企業のニーズに合わせたプランも用意されている

就業規則も既存のものを見直しし、アドバイスするだけのプランやイチから就業規則を作るプラン、また就業規則だけでなく賃金規定などの周辺の諸規則も作成するプランなど、企業のニーズに合わせたプランがあります。就業規則を作成するプランの場合、50,000~200,000円前後が相場となります。

助成金申請代行の場合

助成金申請代行の場合、初期費用(着手金)+成功報酬もしくは成功報酬のみ、というパターンが多いようです。着手金が無料の場合は成功報酬が高めに設定されることもあります。

着手金アリの場合の相場は20,000~50,000円が着手金助成金でもらえる額の10~15%前後が相場となっています。

成功報酬の実の場合は、助成金でもらえる額の15~25%前後が相場となっています。

 

良い社会保険労務士を選ぶには

社会保険労務士を活用することでさまざまなメリットが享受できることがわかったと思います。しかし、社会保険労務士も人間ですから人によっていい仕事をしてくれる人とそうでない人がいます。良い社会保険労務士を選ぶにはいくつかのポイントがあります。

業務範囲と料金設定が明確

社会保険労務士は幅広い業務を担うことが出来る代わりに、業務範囲がつい曖昧になってしまうことがあります。

「依頼したつもりがないのに、その分まで料金を請求されてしまった」というトラブルにならないためにも、業務範囲が明確になっていることがとても大事です。

また、それに見合った料金設定になっていて、不当に高かったり、不明瞭な料金設定があったりする場合は避けたほうがいいでしょう。

協議によって決定する場合でも、こちらのニーズを真摯にくみ取ってくれて過不足ないプランを提案してくれる人が望ましいですね。

社会保険労務士の人柄と経験値

社会保険労務士とも、仕事とはいえ相性があります。相性は人柄という意味でもありますが、その人のこれまでの経験が大きい側面もあります。

今まで建設系の企業と仕事をしてきた社会保険労務士が急にIT企業の仕事をするというのは、いくらプロで専門家と言えども業界ごとの勝手が違いますよね。自社が求める経験と人柄を有した社労士を選びましょう。

事務所の対応

社会保険労務士本人だけでなく、事務所の対応も重要なポイントとなります。

どんなに本人の人柄がよくても、事務所で対応してくれる人とコミュニケーションがうまく取れないとか、感じが悪いということになると仕事を頼むのも嫌になってしまいますよね。

事務所の対応が悪くてトラブルになっては元も子もありません。事務所の対応も見ながら社会保険労務士を選ぶことをオススメします。

得意分野を知っておくこと

社会保険労務士の得意分野を知っておくことも重要ですね。

就業規則を作ってもらいたいのに、給与計算が得意な社会保険労務士に依頼すると言ったように得意分野でないところの仕事を依頼するのはミスマッチが起こる原因にもなります。

就業規則を作ってもらいたいなら就業規則に強みがある社会保険労務士に、助成金のアドバイスを受けたいなら助成金関連の業務が得意な社会保険労務士に依頼するのがいいでしょう。

コミュニケーションが円滑であること

人間同士のコミュニケーションが大事になってくるので、コミュニケーションが円滑におこなえることが重要ですね。連絡が滞るとか、望んだ回答が来ないとか、コミュニケーションが円滑に取れない相手と仕事をするのは余計に時間がかかりますし、お互いにとってストレスになってしまいます。

コミュニケーションがうまく取れる人を選ぶことをオススメします。

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まとめ

社会保険労務士という専門家をうまく活用して、職場環境の改善を図ったり、人事関連のトラブルを未然に防いだりすることは社員のモチベーションを引き上げ、企業の成長や経営の健全化にもつながります。いい社会保険労務士を選んで付き合っていくことが、業績向上の一つのポイントになるかもしれませんね。

     

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