社労士試験を目指して勉強を始めようとしている方は、実際にどれくらいの勉強時間が必要なのかの目安を持っておきましょう。結論から申し上げますと、社労士試験のための勉強時間は、全部独学で行う場合800時間以上必要と言いわれています。
仮に1年間での勉強期間を設けるのであれば、1日平均2~3時間の勉強時間を確保して、コツコツ1年間続ける必要があります。
社労士試験を受ける方はすでに働いている方からの受験も多く、仕事をしながら勉強時間を確保し続けることも難しい場合もあるでしょう。
今回は、社労士試験に向けた勉強時間の目安と効率的に勉強を進めていく方法についてご説明します。
目次
社労士に必要な勉強時間は?勉強方法ごとの勉強時間目安
冒頭でもお伝えしましたが、社労士試験に合格するためには独学で800時間以上の勉強時間を目安にしてください。
社労士試験に向けた勉強方法には、『独学』以外にも『通信講座』『予備校』を利用することもあり、勉強時間を短縮することもできます。
勉強方法 | メリット | デメリット |
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参考書/問題集 |
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通信講座 |
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通学制予備校 |
- 1からしっかり学べる
- モチベーションを維持しやすい
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後でもご説明しますが、効率的になるべく短い勉強時間で済ませたいのであれば、全部独学で勉強する以外の方法も検討しましょう。まずは、勉強方法ごとの目安の勉強時間についてご説明します。
全部独学で勉強する場合|800時間以上
繰り返しになりますが、全部独学で社労士試験の合格を目指すのであれば、800時間以上の勉強時間が必要になります。あくまでも目安ですし、基礎知識も全く身に付いていない方であれば1000時間以上必要になることもあります。
社労士試験の勉強は1年間で計画を立てていくことが多いのですが、そうした場合1日平均3時間程度は勉強をし続ける必要があります。
働きながら社労士資格を目指す方も多いですが、働きながら社労士資格を目指すのであれば、その1年間はほとんどが仕事と勉強の繰り返しになる非常にストイックな1年になることの覚悟が必要です。
通信教育を利用する場合|600時間以上
1年で10万円前後の費用はかかることになりますが、通信講座を利用することで必要な勉強時間を600時間程度に短縮することもできます。1年の勉強期間で考えれば、1日平均30分~1時間程度は勉強時間を短く効率的に学ぶことが期待できます。
特に働きながら独学で社労士試験の勉強を進めていこうとすると非常に大変になりますが、通信講座を活用することで負担も多少は軽減できます。また、社会人の方でも勉強する時間に融通を利かせやすい部分も大きいです。
過去問や試験で注意すべきポイントなども効率的に対策できますので、試験の合格率を高めることもできるでしょう。
予備校に通う場合|600時間以上
今は働いていなくて、学生やフリーターで時間に融通が利きやすい方は予備校という選択肢もあります。勉強時間の短縮は通信講座と同等ですが、周りに同じ立場の人がいて、直接講師に質問もできるので、モチベーションを維持しながらより状況にあった学習ができます。
一方、通信講座よりも費用がかかることと通学するのに時間が必要になることはデメリットです。時間の確保が難しい社会人の方には、予備校に通うことはちょっと難しいです。
社労士に必要な勉強内容とそれぞれの目安の勉強時間
社労士試験は毎年1回8月末に行われますので、1年間での勉強スケジュールを組んでおくことがおすすめです。
時期 | 勉強時間 | 主な学習方法 |
---|
9~12月 | 200~400時間 | 基礎学習 |
1~4月 | 200~300時間 | 過去問 |
5~8月 | 100~200時間 | 試験準備 |
あくまでも目安ですが、1年のスケジュールでのそれぞれの勉強時間をまとめると、上のようになります。
例えば、労働や社会保険に関する法律の知識がある程度身に付いている方は、基礎学習の勉強時間を短くして、試験に向けた過去問の繰り返しや試験準備に力を入れても良いです。
基礎学習|200~400時間
社労士試験に合格して、社労士資格を取得するためには、労働や社会保険に関する法律の知識を一通り覚えておく必要があります。
社労士試験は受験資格も厳しくなく、誰でも挑戦しやすいのですが、それでも士業の国家資格ですので、必要な知識も専門的かつ範囲が広いです。基礎的な法律知識を叩き込むだけでも300時間前後の勉強は必須になってくるでしょう。
過去問|200~300時間
基礎知識が一通り身に付いたなら、過去問をひたすら解いていく期間に入ります。最低でも10年分を3回は行うと良いでしょう(試験までの期間にもよります)。
過去問を解いていくうちに、苦手分野もおおよそ分かってくるので、苦手分野のインプットも行いつつ、過去問も継続的に解き続けます。
試験準備|100~200時間
夏も近づいてくると、いよいよ勉強も詰めの段階になってきます。過去問を解いていった結果、苦手だと分かった部分はさらに繰り返し、苦手分野の克服をしておきましょう。社労士試験では各項目で最低点数以上を取る必要があるので、苦手分野を放置するわけにはいきません。
この頃に模試も行われ始めるので、必ず1回は模試を受けるようにし、実際の試験の雰囲気や時間管理などをテストしておきましょう。
社労士試験にある程度の勉強時間が必要な理由
社労士試験の勉強時間は800時間を目安に行いましょう。それほどの勉強時間が必要な理由には以下の2つが大きく挙げられます。
社労士試験の難易度が高い
そもそも、社労士試験は合格率が低いことでも知られています。受験資格はそこまで厳しくなく、多くの人が受験できますが、しっかりし勉強していなければ容赦なく不合格になってしまうでしょう。
社労士試験に合格するまでの平均回数は4回と言われており、勉強不足で挑んでしまうと、合格まで何度も挑戦する羽目になり、期間も数年間かかってしまいます。
範囲が広く覚える内容も多い
社会保険労務士は、れっきとした士業の国家資格で、その後社労士としての独立も可能となる資格です。言い換えるなら、労働や社会保険に関する法律のプロにもなってくるので、高い知識が必要とされます。
- 労働基準法及び労働安全衛生法
- 労働者災害補償保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む)
- 雇用保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む)
- 労務管理その他の労働に関する一般常識
- 社会保険に関する一般常識
- 健康保険法
- 厚生年金保険法
- 国民年金法
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参考:「社労保険労務士試験の概要|社労士試験オフィシャルサイト」
社労士試験で出題される試験項目は上記の通りで、これらの法律知識を全て身に付けておく必要があるのです。
範囲も広く、どれかの知識だけに偏らせても合格はできないので、全ての項目を満遍なく勉強しておく必要があります。結果的に勉強時間はそれなりに長くなるのです。
効率的に社労士の勉強時間を短縮する方法
800時間の勉強時間を目の当たりにして、「長い」と思った方も多いでしょう。こちらでは、社労士試験に向けた勉強時間を短縮する方法を2つご紹介します。
全部独学はなるべく避けるべき
ここで勉強時間について調べているということは、全部独学で勉強しようと考えている方も少なくないかと思います。
ズバリ申し上げると、勉強時間を減らしたいなら独学だけでの勉強は避けるべきです。上でもお伝えしましたが、通信講座などを使うことで、200時間程度の時間短縮には繋がります。
実務経験が積める職場で働く
「次の社労士試験で合格するんだ」と意気込んでいた方には少し肩透かしかもしれませんが、いきなり資格を目指すのではなく、実務経験を積みながらじっくり勉強していく方法も選択肢だと言えます。
社労士試験の受験資格に実務経験は必須ではありませんが、実務経験あればその後の全社労への登録や転職でも有利に働くことも多いです。
何より働きながら労働や社会保険に関する法律の知識も身に付けていけるので、自分でカリカリと基礎知識を勉強する時間も減らせることでしょう。
働きながら社労士の勉強時間を確保する方法
社労士試験の受験者の8割以上が働きながら受験を行っています。現在、こちらをご覧の方も実際に働かれている方も多いでしょう。
こちらでは、働きながら勉強時間を確保する方法や考え方をお伝えします。
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平日と休日の勉強時間を決めてその時間は予定に入れる
仕事をされている方は、あらかじめ平日と休日にそれぞれ何時間ずつ勉強するのかを決めておき、その時間分の確保はしておくようにしましょう。
曜日 | 年間の日数 | 1日の勉強時間 |
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土日(休日) | 100日 | 5時間 |
平日(出勤日) | 250日 | 2時間 |
例えば、1年間で上のように勉強時間を確保することが出来れば年間1,000時間の勉強ができます。
特に大事なことが、平日でもコツコツ勉強をする習慣を付けておくことで、1日2時間程度はあると良いです。出勤前型と退勤後型と分かれますが、朝早くに起きて勉強してから会社に向かったり、退勤後は余計な予定を入れずに勉強することに専念したりを決めておきます。
大変な一年になりますが、働きながら勉強時間を確保するとなると、これくらいの勉強は必要になります。無理になり過ぎないように、1年・1ヶ月・1週間の勉強スケジュールをあらかじめ作っておきましょう。
勉強時間だけにとらわれないように注意
こうして説明していると、「1日〇時間勉強したからヨシ!」と思ってしまうことがありますが、注意が必要です。大事なのは合格するための学習で、しっかり勉強時間分勉強できたとしても内容が身に付いていなければ意味がありません。
勉強時間はあくまでも目安で、「いつまでに○○の項目は理解して解けるようになっておく」などの勉強の結果にもこだわってください。
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まとめ
社労士試験の合格を目指すには、800時間以上の勉強時間は目安にしておきましょう。基本的には1年の期間をかけて勉強をすることが多く、1日平均2~3時間は勉強し続ける必要があります。
働きながら勉強時間を確保することは難しいことも出てくるかと思います。通信講座などを上手く活用し、効率的に勉強を進めていってください。