- 弁護士経験3年の年収はいくらになるのか
- 同期と比べてどの程度の差があるのか
- 大手事務所は1年目から1,000万円以上あるが自分はどうか など
その頃から将来のキャリアプランも考え始めますが、特に気になることが年収のことですね。
職業情報提供サイト「jobtag」によれば、弁護士(裁判官、検察官含む)の平均年収は971.4万円というデータがありますが、より弁護士に絞ることと、何歳で弁護士にって3年目なのかを把握するのがポイントです。
一般的に現役大学入学、法科大学院が2年コースで司法試験に一発合格という最短コースを歩んだ場合でも、司法試験合格時点で25歳。 そこから1年間の司法修習を経て正式に弁護士登録できるのは26歳ですから、そこから3年目ですと29歳がひとつの目安になります。
「弁護士は高年収」というイメージを持って働き始めた方も少なくないと思いますが、実際に3年働いてみて「思ったほど年収が上がらない」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか?
本記事では、一般的な弁護士3年目の平均年収を紹介しながら、年収が低い理由や年収を上げるためのポイントについて解説します。
目次
弁護士の平均年収と中央値
弁護士3年目の年収について触れる前に、まずは弁護士全体の平均年収と中央値をご紹介します。
日弁連の調査結果「弁護士白書2023年版」によると、弁護士の平均年収は2,083 万円、中央値が1,500 万円となっていました。
弁護士の収入・所得の平均値
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| 2008年 (注1) | 2010年 (注2) | 2014年 (注1) | 2018年 (注1) | 2020年 (注2) | 2023年 (注2・注3) |
---|
収入 | 3,389 万円 | 3,304 万円 | 2,402 万円 | 2,143 万円 | 2,558 万円 | 2,083 万円 |
回答者数 | 4,021 人 | 1,354 人 | 3,199 人 | 2,584 人 | 1,989 人 | 1,954 人 |
所得 | 1,667 万円 | 1,471 万円 | 907 万円 | 959 万円 | 1,119 万円 | 1,022 万円 |
回答者数 | 3,977 人 | 1,280 人 | 3,128 人 | 2,490 人 | 1,788 人 | 1,839 人 |
参考:弁護士白書2023年版
【注】1.収入及び所得については、弁護士としての活動による収入・支出によるものを尋ねた。
2.収入及び所得については、確定申告書や給与所得の源泉徴収票に基づく回答であり、確定申告書による回答の場合、弁護士活動以外による収入(その他の事業による収入、不動産収入等)が含まれている可能性がある。
3.平均値については、最小値・最大値付近のそれぞれ5%を外れ値とした平均値(5%調整平均)による。
弁護士の収入・所得の中央値
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| 2008年 (注1) | 2010年 (注2) | 2014年 (注1) | 2018年 (注1) | 2020年 (注2) | 2023年 (注2・注3) |
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収 入 | 2,200 万円 | 2,112 万円 | 1,430 万円 | 1,200 万円 | 1,437 万円 | 1,500 万円 |
回答者数 | 4,021 人 | 1,354 人 | 3,199 人 | 2,584 人 | 1,989 人 | 1,954 人 |
所 得 | 1,100 万円 | 959 万円 | 600 万円 | 650 万円 | 700 万円 | 800 万円 |
回答者数 | 3,977 人 | 1,280 人 | 3,128 人 | 2,490 人 | 1,788 人 | 1,839 人 |
参考:弁護士白書2023年版
収入についての中央値は 1,500 万円、最小値・最大値付近のそれぞれ5%を外れ値とした平均値(5%調整平均)は、2,082.6 万円であり、所得についての中央値は 800 万円、平均値(5%調整平均)は 1,022.3 万円であった。
弁護士としての活動による収入の割合は平均値 92.6%、中央値 100%であり、所得については平均値
91.5%、中央値 100%であった
引用元:弁護士白書2023年版
弁護士3年目でこの平均値に届くケースはほとんどないのですが、将来的には平均年収2,000万円を目安にキャリアを積み重ねていくイメージになるでしょう。
全職業の平均年収が460万円程度なので、弁護士の年収はかなりの高水準であることには違いありません。
※参考:近年の弁護士の活動実態について|弁護士白書
※参考:平均給与|国税庁
弁護士3年目の平均年収は575万円|弁護士経験年数ごとの年収推移
2024年現在、弁護士3年目の方は70期台の方ということになります。
弁護士3年目を含む71〜74期台の平均年収は575万円、中央値は550万円です。平均年収(収入)が1,000万円を超えるのは、経験5以上の70期前の弁護士からでした。
表:経験年数・司法修習別の収入・所得の経年変化
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| 収入(万円) | 所得(万円) |
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2018 年 | 2023 年 | 2018 年 | 2023 年 |
---|
5年未満 | 平均値 | 66-70 期 | 735 | 71-74 期 | 575 | 66-70 期 | 470 | 71-74 期 | 351 |
---|
中央値 | 600 | 550 | 430 | 300 |
---|
回答数 | 660 | 277 | 636 | 258 |
---|
5年以上 10年未満 | 平均値 | 61-65 期 | 1,550 | 66-70 期 | 1,252 | 61-65 期 | 792 | 66-70 期 | 685 |
---|
中央値 | 1,200 | 1,027 | 680 | 650 |
回答数 | 619 | 345 | 605 | 323 |
10年以上 15年未満 | 平均値 | 56-60 期 | 2,237 | 61-65 期 | 1,975 | 56-60 期 | 1,078 | 61-65 期 | 989 |
---|
中央値 | 1,900 | 1,800 | 900 | 860 |
回答数 | 308 | 352 | 307 | 337 |
15年以上 20年未満 | 平均値 | 51-55 期 | 2,962 | 56-60 期 | 2,554 | 51-55 期 | 1,334 | 56-60 期 | 1,252 |
---|
中央値 | 2,078 | 2,100 | 1,000 | 1,100 |
回答数 | 155 | 198 | 157 | 192 |
20年以上 25年未満 | 平均値 | 46-50 期 | 3,469 | 51-55 期 | 3,763 | 46-50 期 | 1,307 | 51-55 期 | 1,692 |
---|
中央値 | 2,760 | 2,950 | 1,006 | 1,215 |
回答数 | 105 | 90 | 102 | 88 |
25年以上 30年未満 | 平均値 | 41-45 期 | 4,699 | 46-50 期 | 3,220 | 41-45 期 | 1,601 | 46-50 期 | 1,298 |
---|
中央値 | 3,000 | 2,680 | 1,100 | 1,000 |
回答数 | 99 | 79 | 94 | 74 |
30年以上 35年未満 | 平均値 | 36-40 期 | 3,884 | 41-45 期 | 2,687 | 36-40 期 | 1,604 | 41-45 期 | 908 |
---|
中央値 | 2,500 | 2,200 | 1,000 | 695 |
回答数 | 91 | 70 | 86 | 66 |
35 年以上 | 平均値 | 1-35 期 | 3,312 | 1-40 期 | 1,937 | 1-35 期 | 1,321 | 1-40 期 | 734 |
---|
中央値 | 2,000 | 1,300 | 800 | 429 |
回答数 | 519 | 499 | 477 | 459 |
https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/document/statistics/2023/5-4.pdf
弁護士は、経験年数を重ねるごとに順調に年収が上がっていく傾向にあります。ただし平均年収と中央値の差が大きいため、平均年収を大きく引き上げる圧倒的高収入の弁護士が存在するのでしょう。
弁護士の年収の伸び方については、次のような特徴があります。
弁護士3年目までの昇給額は500万円以上・4年目で700万円近い飛躍
上記のデータからは年収の昇級額はわからないため類推するしかありませんが、法律事務所では業績連動によって年収が上がっていくのが一般的ですので、2年目で大きく年収を上げられる場合もあれば、初任給と大差ない方もいます。
ただ、法律事務所勤務の弁護士で初任給が500万円程度、弁護士3年目以降4年目の平均年収は1,252万円なので、700万円前後、年収がアップしていることになります。
五大法律事務所の場合は初任給で年収1,000万円を超え、3年目で年収2,000万円程度まで上がることがあります。そんな代表例と比べると、その半分程度の年収では満足できない、という考え方もあるでしょう。
弁護士の年収のピークは20年から25年目
弁護士の経験年数が20年以上25年未満のゾーンに入る51-55 期の平均年収は3,763万円となっており、修習期別の年収中央値で1番高い数値です。
ただ、中央値2,950万円との差は800万円以上となり、年収格差がもっとも大きい年代でもあります。弁護士の平均年収は生涯上がり続けるようにも見えますが、中央値でみると20~30年目で頭打ちがきて大きな変化がなくなってきているとも言えます。
所属先による弁護士の年収の違い
弁護士は単に年数をかけて働けば年収が上がるのではなく、働き先や働き方によっても年収が違ってきます。
今後年収を上げていきたいのであれば、どのようなキャリアを積んでいくかの計画をイメージしていかなくてはなりません。
こちらの項目では、法律事務所の大きさや働き方の違いによる弁護士の年収の違いについてご説明します。
所属先の規模の違いによる弁護士の年収差
企業規模による年収の違いは次のような結果でした。
企業規模計 | きまって支給する現金給与額 | 年間賞与その他特別給与額 | 年収換算 |
---|
10~99人 | 539.4千円 | 1174.5千円 | 764.73万円 |
100~999人 | 428.1千円 | 1339.5千円 | 647.67万円 |
1,000人以上 | 482.9千円 | 1903.2千円 | 769.8万円 |
参考:賃金構造基本統計調査令和元年以前 職種DB第1表 | 政府統計の総合窓口
大半の法律事務所は従業員数が100人未満のため、多くの弁護士は企業規模10~99人の年収に含まれると考えられます。他職種とは違って企業規模が小さい場合に年収が高いのは、これが理由です。
企業規模が100人以上、1,000人以上の場合に年間賞与など特別給与額が高くなっているのは、企業規模が大きい場合は大手企業で働くインハウスローヤーが含まれ、賞与やその他手当などが充実していることが一要因として考えられます。
企業規模というよりは、事務所とインハウスの年収の違いのように思えます。弁護士3年目になると、弁護士としての働き方や注力していきたい分野などもおおよそ決まってくる頃でしょう。所属先を変えて年収や働き方を変えることも選択肢にいれてみてはどうでしょうか。
弁護士のおもな所属先は、以下のとおりです。
- 法律事務所
- 事業会社(インハウスローヤー)
- 個人事務所(独立開業)
それぞれの働き方と年収の目安についてご紹介します。
法律事務所の平均年収
法律事務所で働く弁護士も立場によって仕事内容や契約などが違ってきて、年収差があります。法律事務所で働き続ける場合でも、キャリアを積んだり事務所を変えたりすることで年収を上げることが可能です。
まず、3年目の若手弁護士のうちは「アソシエイト弁護士」として法律事務所に勤務することが多いでしょう。アソシエイト弁護士の年収は、将来的にも良くて700万円前後くらいにしか伸びません。
法律事務所の弁護士として年収1,000万円を超えていきたいのであれば、個人受任もしっかり受けられる法律事務所で働いたり、パートナー弁護士としてキャリアを積んでいったりする方法も検討する必要があります。
パートナー弁護士とは、法律事務所の経営を担っている弁護士のことで、年収が1,000万円以上、人によっては数億円になることもあります。
弁護士業務だけではなく、経営についても日々学び続ける必要があるとても大変な道のりですが、年収を大きく稼ぎたい場合にはパートナー弁護士も将来のキャリアプランの候補に挙げておくと良いでしょう。
事業会社(インハウスローヤー)の平均年収
近年、法律事務所ではなく、インハウスローヤーとして企業の法務部などで働く弁護士も増えてきています。
インハウスローヤーの年収については、「日本組織内弁護士協会」のアンケートを参考にしてみてください。
表:あなたの年収(支給総額)を教えてください。
選択肢 | 人数 | 割合 |
---|
250万円未満 | 0 | 0.0% |
250万円~500万円未満 | 6 | 2.9% |
500万円~750万円未満 | 27 | 13.2% |
750万円~1000万円未満 | 50 | 24.5% |
1000万円~1250万円未満 | 42 | 20.6% |
1250万円~1500万円未満 | 27 | 13.2% |
1500万円~2000万円未満 | 20 | 9.8% |
2000万円~3000万円未満 | 20 | 9.8% |
3000万円~5000万円未満 | 9 | 4.4% |
5000万円以上 | 3 | 1.5% |
インハウスローヤーの年収は750万円〜1,250万円が多く、そこまで大きな年収は狙いにくいです。年収を大きく上げることは難しいのですが、安定した高い年収を得られ、仕事が激務になりにくい点がメリットです。
取り扱う法律は主に企業法務に関するものですが、ワークライフバランスを確保しながら働きたい方にはおすすめの働き方です。
個人事務所(独立開業)の平均年収
弁護士3年目ではまだそこまで考える人も少ないでしょうが、将来的に弁護士として独立して法律事務所も構える選択肢もあります。独立した場合、経営する法律事務所の業績に年収も左右されますので平均年収を出すことはできません。
十分な売上を立てられる仕組みを作ることができれば数千万円〜数億円の年収も可能ですが、反対に全く依頼を受けられない弁護士になってしまえば年収200〜300万円が続いてしまうようなことも起こり得ます。
将来独立を考えている場合にも、経営についてもしっかり学んだり、個人受任をしっかり受けられるような自身の強みを作っていったりすることが大事になります。
弁護士経験3年目の年収が低い理由
話を戻しますが、弁護士3年目の段階では年収を大きく上げることが難しいです。
実際に、ご自身の年収がなかなか上がっていなくて不安でこのような記事をご覧になっている方も多いでしょうが、弁護士3年目の段階でなかなか年収が上がらないことには理由があります。
こちらの項目では、弁護士3年目の年収が低い理由について解説します。
弁護士経験が浅い
弁護士3年目は、弁護士としてはまだ実務をいろいろ覚えていく段階にあります。所属する事務所の他の弁護士の補佐に入ったり、比較的に簡単な案件を振ってもらったりして、基礎中の基礎を覚えていく段階です。
まずは目の前のできることをきちんとこなし、より早くより質を高く対応していくことでご自身の力になっていきます。
実力がついてくれば個人で案件を引き受けたり、高待遇の事務所に転職したりして年収を上げていくこともできます。
実務をしっかりこなしつつも、弁護士業界や働き方などの広い視点で物事を考えて将来的に自分がどのような弁護士になりたいかのプランも立てていきましょう。
弁護士数が増えてライバルが多い
弁護士という働き方には定年退職がありません。そのこともあり、年々弁護士数は右肩上がりで増えていきます。
弁護士白書によると、弁護士の人数は年々増加しており、特に2006年の新司法試験制度導入がきっかけで弁護士数が大幅に増加しました。今から20年前に比べると、弁護士数が2倍にもなっていることが分かります。
その結果、良い案件は経験豊富な年配の弁護士に集まるようになり、経験が浅い若手弁護士は報酬としてはあまりおいしくない依頼ばかりになってしまうこともあります。
また、働く上でのライバルも増えてしまい、大手法律事務所や好条件の事務所は、よっぽど優秀な弁護士でないと採用されないようなことにもなります。学歴や実績などでのアピールポイントが不足している弁護士は、キャリアアップや年収アップもしにくくなっていると考えられます。
このように増えてきている弁護士の中から抜け出すためには、ご自身の強みをしっかりと確立しておく必要があります。
訴訟件数が減って弁護士の需要が減っている
弁護士の代表的な業務といえば訴訟対応ですが、肝心の訴訟件数が減少している傾向にあります。
年 | 民事第一審通常訴訟事件(地方裁判所) | 弁護士数(人) |
---|
新受(件) | 既済(件) | 未済(件) |
---|
2012 | 161,313 | 168,229 | 98,159 | 33,317 |
2013 | 147,390 | 149,930 | 95,619 | 34,743 |
2014 | 142,488 | 141,008 | 97,099 | 36,160 |
2015 | 143,817 | 140,973 | 99,943 | 37,445 |
2016 | 148,307 | 148,023 | 100,227 | 38,739 |
2017 | 146,681 | 145,983 | 100,924 | 39,865 |
2018 | 138,444 | 138,683 | 100,685 | 40,934 |
2019 | 134,935 | 131,559 | 104,061 | 42,058 |
2020 | 133,430 | 122,763 | 114,728 | 43,110 |
2021 | 130,861 | 139,020 | 106,569 | 42,989 |
2022 | 126,664 | 131,794 | 101,439 | 44,907 |
参照:弁護士白書2023年版
訴訟件数が減った大きな理由として考えられるものが、過払い金請求のピークが終わってしまったことが考えられます。
弁護士数は増えているのに訴訟件数が減ってしまい、少ないパイを取り合っている状態になっています。さらには今まで過払金請求を中心に引き受けていた弁護士事務所が他の一般民事にも進出してきたため、法律事務所同士でも依頼の取り合いのようなことが起こってしまいます。
そうなると、今度は広告費や割安価格プランなどで利益が下がり、結果として弁護士に還元される収入にも影響することが考えられます。
近年でもコンプライアンスの高まりによる企業法務や労働事件の対応、インターネットによる誹謗中傷など、弁護士が活躍できる場面は出てきていますが、「過払い金バブル」とまで言われた勢いは感じられません。
弁護士としてしっかり稼いでいくためには、どのようにして依頼を集めるかのマーケティングや、相談から依頼にしっかり繋げるための営業力やコミュニケーション力、自分がどのような弁護士でどのような強みを持っているかを伝えるブランディングなど、ありとあらゆるアプローチが必要になってくるでしょう。
弁護士が3年目以降に年収を上げていく方法
何度かお伝えしているように、弁護士3年目ではまだまだ年収は上がりにくい段階です。これからの活躍で徐々に年収は上がっていきますが、より大きく年収を上げていくためには、本人の努力と計画が必要になります。
こちらの項目では、今後弁護士が年収を上げていくためにできることのヒントをご紹介します。
徐々に個人受任をしていく
弁護士としての経験を積んできた方は、徐々に個人受任ができるような体制を取ってみましょう。
所属する法律事務所の方針や契約内容にもよりますが、個人受任ができれば今までの年収に収入を上乗せできるようにもなります。
単に収入を上げるだけでなく、個人受任をしていく中で、ご自身が力を入れたい分野の選別や集客方法、ブランディングなど身を持って体験することができます。将来的にパートナー弁護士や独立を考えている方も、まずは自分で依頼を受けることから第一歩になりますので、弁護士業務に慣れてきた頃から個人受任に挑戦してみると良いでしょう。
事務所の移動や転職
一般職の転職でも会社を変えるだけで年収を上げることができますが、弁護士も事務所によって待遇がさまざまで、事務所を移ることで年収を上げることもできます。
弁護士業界のおおよそが分かってきたタイミングで、一度他の事務所の動向や働き方など調べてみても良いでしょう。
また、弁護士事務所の大手には5大法律事務所がありますが、これらの事務所はほとんどが企業法務を取り扱います。
5大法律事務所に中途採用されるのは企業法務でしっかり実績を残している弁護士が中心になります。将来的に5大法律事務所を目指している方は、企業法務案件をしっかり取り組める法律事務所を経験しておきましょう。
企業法務の経験があれば、インハウスローヤーとしても転職しやすくなるのでおすすめです。
独立開業をする
売上が出ないリスクもあり、必ず年収を上げられるわけではありませんが、独立後に結果を出せれば今までとは比にならないくらい年収を上げられる可能性が出てきます。
早い人であれば弁護士経験10年以内に独立する人もいます。弁護士3年目からご自身の業務はしっかりこなしつつも、独立のための情報収集や準備を進めていっても良いでしょう。
そのためには、上で伝えたように個人で案件を受けられるようになっていかないといけません。弁護士としての能力を上げるだけでなく、ビジネス面でのレベルアップも重ねていく必要があります。
まとめ
弁護士3年目の年収は500万円前後になることが多く、初任給から大きく上がらないケースが多いです。
弁護士としての経験も浅いと判断されやすく、依頼を一通り引き受けられない場合もあり、結果として大きく年収を上げることが難しくなっています。年収を上げていくためには、ご自身がどの分野で活躍する弁護士かを決めていき、依頼から問題解決までを一通りこなせるように経験を積んでいきましょう。
個人でも案件を受けられるようになってくれば、年収1,000万円以上も十分に狙えるようになります。年収にこだわる弁護士であれば、まずは年収1,000万円を目指していくと良いでしょう。
また、弁護士3年目は、弁護士業界の動向も徐々に分かってくるタイミングです。広い視野を持って、今の働き方と他の働き方、報酬や条件の違いなどを確認したり、将来のキャリアプランを練ってみたりすると良いでしょう。
弁護士の年収を上げていけるかどうかは、これからの10年前後の取り組みで大きく変わってくるはずです。ぜひ理想とする年収や働き方に近づくためのキャリアプランを立てていきましょう。